わたしの戦闘力は53ま…

ヲタクとイタリアン

いらっしゃいませ!

ヲタ飯屋です!!

 

あなたは今でどのようなピンチを迎えた事がありますか?

・学校のチャリ置き場で怖い先輩に絡まれた時。

・授業が始まってすぐに便意を孕んだあの雨の日。

・主人公の戦闘力が18万位しか無いのに敵が53万だった時。

・給料日前。

 

「お金が無い…!」

「自宅のキッチンには乾燥パスタしかねぇ…」

「絶望的だ…まぁ、食べられるだけマシかな。」

イタリアでアーリオ・オーリオ・ペペロンチーノはこんな感じです。

日本で「ペペロンチーノ」は

にんにく、唐辛子、オリーブオイル

で出来るパスタで、シンプルisベストであるが故に「技」が大いに反映される通な部分も見え隠れする料理。

という「深読み」をする方も中にはいます。

あながち間違いではありませんが、イタリアの方の価値観と少しズレがありますね。

「イタリアではねぇ…」と語りたがる人には語らせておけば良いので、放っておきましょう!

今回は「オイルパスタ」についてお話させて頂きます!

「絶望のパスタ」

イタリアではねぇ」…こう言われています。

何にもなくても作れる、腹の足しになる程度の存在です。

日本でいう「塩むすび」に近く、お米と塩があれば作れる…と同じです。

お店ではそのままでも出されますが「旬の食材」と共に作られ、季節を感じられるパスタでもあります。

というわけで、「旬の食材」に全乗っかりの、基本があれば食材の差で応用の効く簡単なパスタで、日本でいう白ご飯に何を乗せるか程度に考えて貰えれば思いっきり「オイルパスタ」のハードルが下がります。

 

作り方は簡単!

1、オリーブオイルににんにくの香り、唐辛子の辛みを移して、パスタの茹で汁で乳化させる。

2、トロッとした「ソース」になったらパスタと絡め、更に乳化させて完成!

というもの。

このオイルでホタルイカ春キャベツを炒めたら

「春キャベツとホタルイカのペペロンチーノ」

となり、蟹を入れると…秋刀魚を入れると…

というように、何を入れるかの差です。

大きな差はありません。

魚介類を入れるなら「アンチョビ」を、きのこ類なら「バター」等、より美味しさを高める旨味の素も当然ありますが、入れ過ぎるとその味になってしまうのでご注意を!

あと「ペペロンチーノ」「唐辛子」の事を指すので、海外で食べたければ「アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノ」と注文しましょう!

多分一流店であればある程「メニューに無い」と思いますけど… 

…と、ここまでは恐らく知ってる方も多いと思いますが、

僕が今回あなたにお届けしたいのは蟹も海老も関係無いという事です。

 

そんなの家に常備してねぇわ!

 

という方は多いはず!

具材なんて何でも良いのです!!

野菜炒めでも豚の生姜焼きでも何でもござれ!ご飯と食べたら美味しい物なら何でも美味しい!!

美味しいオイルにパスタをぶっ込む。

これが「オイルパスタ」というジャンル。

季節の食材の旨味を抽出したソースは「蟹」でも「野菜炒め」も変わりません。

気にするな!何にでも入れてやれ!!

お店のまかないでも良く作ってますし、特に家で食べるなら「オシャレ」なぞ不要です!

パスタを難しく考える方が多く、良く家で作る時にメニュー通りに「じゃなきゃ」駄目と考えるお客様もいらっしゃいます。

確かに、テレビでやってたレシピネットで見たレシピ等をそのまま作りたければ当然「そのまま」の方が良いのですが、そんなレシピは絶望のパスタと呼ばれる見栄もへったくれも無い「何でもOKパスタ」より贅沢です。

家の冷蔵庫の整理で消費期限ギリギリのヤバ食材を全部取り出して…という「お掃除系」の料理はイタリアの家庭も日本も同じなんです。

胡麻油で作ってもオイルパスタじゃないか!

・バターで作れば「アルブッロ」というバターのパスタ。

・チーズと黒胡椒で「カチョ・エ・ペペ」。

これも「絶望」の形の1つです。

しかし、この「絶望」には全ての基礎が詰まっており

・オイルを乳化させてソースにする

・パスタにソースを吸わせる

この定義、スキルを守れば完璧です。

つまりこの絶望を乗り越えた者どんな材料でもトマトソースであろうがクリームパスタであろうが「パスタの基本」という武器を手にした勇者であるのです!

 

お店でもまずは「乳化」の練習をしてソース作り、パスタに味を馴染ませるスピードに慣れる事から始まります。

「パスタに馴染ませるスピード」

とは、「アルデンテ」を良しとしているメディアの印象操作を真に受けた方が思考停止でアルデンテにしている事が「家で作ったパスタ」と「お店で食べるパスタ」の違いの大部分だと思います。

例えばトマトソースであるなら、少し煮込んでパスタに味を吸わせる方が美味しいので「アルデンテ」で大丈夫…というより、茹で上がる時間を短くする事で煮込む時間を足しても伸び伸びな仕上がりにはなりません。

この時間を作るために「アルデンテ」があるとお考え下さい!

しかしクリームソースである場合、トマトソースの様に煮込み過ぎるとクリームをパスタが吸いすぎ、ソースが無くなりそうになります。

そこでアルデンテでは無い状態であれば、濃厚なクリームソースに絡ませて完了。

そうでなければボソボソになって、水分をパスタが吸ってクリームの油分を残すのでテカテカの油そばみたいになります。

お皿の中でもパスタはその水分を吸収し続けるし、クリームもチーズやパスタのデンプン質で固まるので「早めに食べきる」ので無ければ茹で汁で少しクリームの硬度を落としてあげれば最後まで美味しいパスタになります。

それらの「スピード」さえ味方につければ更に基礎が光ります。

↓このバリラはお店で使ってまして、家庭で毎日山盛り食べても一ヶ月以上持つのでオススメです!何のソースにも対応出来るので是非ヲタ飯あれ!


「絶望」を超え、「光」を手にしたあなたに怖い物はありません。

それが例え高級食材でも。

例えば唐墨(からすみ)のパスタはイタリアでも人気のパスタです。

「ボッタルガ」

と、唐墨の事を呼ぶんですよイタリアではねぇ…

作り方は

アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノに唐墨をやたら入れるという基礎の応用。

少しアンチョビを足して唐墨の塩分調整に使い、香りも足す事によりさらに美味しくなります。足しすぎるとアンチョビが強すぎてしまうのですが、「絶望」を超えたあなたにはその調整が出来るスキルが必ずありますのでご安心を!

     タッカラプト ッタルンガ プピリットパロ

そんな高級食材の唐墨が各家庭に常備してある訳ないのは当然です。

世界三大珍味の

「フォアグラ」、「トリュフ」、「キャビア」

これらもパスタに使われます。

フォアグラと鴨肉のパスタはイタリア中部のご馳走パスタ、もちろんトリュフたっぷりのパスタもあります。

そんな中

50年以上前、舞台は日本。

老舗パスタ専門店の「壁の穴」のとある常連客が「キャビア」を持ってきてこれで作ってと無茶振り。

シェフはキャビアパスタを大変美味しく作り、自身も喜んだそう。

この美味しさを安価に仕上げるには…と考えて改良を重ねた結果、

「たらこパスタ」が誕生したのです。

日本でたらこパスタを得意料理にあげるクソ生意気なイケメンも多いと思われますが、このたらこパスタの誕生こそが材料を選ばない応用パスタの真髄なのです。

キャビアの代用→タラコの塩分

オイルに入れてバターと乳化させたパスタに和えていく。

このたらこパスタはイタリアの方も美味しいと言わせる程のアイデアで、作り方も簡単なのでコンビニやカップ麺、レトルトのソースでもお馴染みになりました。

↓これは本気でオススメ!量に対してコスパ良すぎでした。数本ずつラップしてジップロックで冷凍したらかなり便利でした。


このように何かの応用が1番聴くのがオイルパスタの特徴です。

ボロネーゼとかみたいに、このパスタの種類や食材を使わなければいけません!

という伝統を重んじる郷土料理のようなパスタとは真逆で美味けりゃいいじゃんとかなり大らかですよね。

以上!

何でも良い、美味けりゃ良い、コスパも良い「オイルパスタ」についてお話させて頂きました!

という訳で、オイルパスタのややこしそうなのハードルを下げるお話が殆どだったのですが難しく考えないようになって下されば僕はとても嬉しいです。

絶望のアーリオ・オーリオ・ペペロンチーノが変身して

バターを入れた「アルブッロ」

さらに変身、アルブッロ」にたらこを入れた「たらこパスタ」

オイルパスタは時代や季節に応じて様々な「変身」を遂げます。

お家時間の需要が高まって冷凍食品が冷凍庫にパンパンだったりしても大丈夫!

取り出してみてヤバかったらパスタの材料にしてみて下さい!

 

冷凍庫(フリーザー)を制するのはあなたです。

 

たらこパスタのように素晴らしいアイデアが今後も生まれてきますし、それを作り出すのはあなたかも知れない!!

 

伝統が「過去」なら「応用」は未来だ!!

 

オラわくわくすっぞ!!!

 

ヲタ飯あれ!!

 

その他のパスタソースはこちら!

パスタの書〜ソース〜

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料理人として伝えたい事

楽しいお食事を!

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