【お寿司の子】

ヲタクと和食

いらっしゃいませ!

ヲタ飯屋です!

 

コロナ禍が落ち着きをみせてきた昨今。

海外からの旅行者も増えて飲食店も活気が戻って来ました。

そんな彼らが求める日本食の代表が

「寿司」

です!

海外での魚の生食はめずらしく、冷蔵と冷凍の技術が発達した現代ならではの世界進出した料理です。

様々な具で握ってもらい、季節の魚を味わう事が出来るので十人十色の「推しのネタ」があります。

今回はそんな世界中で大人気の「お寿司」についてお話させて頂きます!

元をたどれば中国、タイの北部の地域から伝わった魚の発酵食品である「熟れ鮓(なれずし)」

何と弥生時代に稲作と共に伝わったかなり長い歴史を持った料理です。

今でも料理として残っている凄い存在なのですが、作り方はシンプル。

魚に塩と米等のデンプンを漬け込み発酵させる。

という漬け物に近い作り方です。

↑こちらは北陸の名産品「かぶら寿司」と言いまして、鰤(ぶり)を蕪(かぶ)と米麹を漬け込んだ物。

このようにお米のデンプンを利用するのですが、漬け込んだ米と塩を取り除いて保存食として食べていました。

ちなみに魚だけでは無く、猪肉や鹿肉等の獣肉でも作られていたそうです。

生食が高貴な身分の食事だという事もあり、食材が「なます」と似ていますね。

酸っぱいファミリー

↑酢の物の原形…「膾(なます)」についてはこちらからどうぞ!

みんな大好き「カルパッチョ」と日本食の事が書いてあります。

しかし室町時代になると発酵時間の短縮を求める様になり、熟れ鮓よりも出来上がりが早くなりました。

そして何よりの変化は「漬け床のお米がもったいないから食べるようになった事」です。

この時代には当たり前のように「モッタイナイ」が根付いていたんですね。

こうして時短で作ってお米ごと食べる物を「生なれ」と呼び、歴史ある元祖の作り方でお米を食べない物を「本なれ」と呼ぶ様になりました。

本来、オーブンでじっくり焼き上げる肉汁たっぷり含んだジューシーなハンバーグをあえて激レアに焼いて仕上げはお客様に委ねる「生ハンバーグ」なんて食べ方をする様になる等、食文化は世界中で進化しています。

より美味しく、より早くを求めた結果の進歩は常識を真っ向から否定する様な目線です。

失敗や間違い、勘違いや悪巧み等が後の世に末永く残る料理になるのは面白いですよね!

時は流れ、江戸に日本の運命を変えた「横着野郎」が現れます。

この時代…「酢」という物が一般化します。

発酵させた液体の登場です!

漬け床は液体になり世間に流通、魚は戦乱の世が終わりこちらも安定した供給と流通により高貴な身分の食事では無くなったという社会になりました。

「生なれって旨いけど時間かかるじゃん?酢使えば発酵したのと似たスタイルで行けるんじゃない?」

という人間が現れた事により「早寿司(はやずし)」が一般で食べられるようになりました。

早寿司とは今の寿司に近い生の新鮮な魚等を乗せて食べるファストフードの様なスタイルで食べる寿司で、「いなり寿司」や「散らし寿司」、「押し寿司」等もこの頃に確立されていきました。

ちなみにサンドウィッチ伯爵がポーカーにハマり過ぎて作られたと言われるサンドウィッチの様に、賭博場で賭け事をするヤンチャな人が片手間に食べられるように寿司が出来たと勘違いされている方がたまにいらっしゃいます。

本当はその頃にバズっていた寿司の中の一つである「巻き寿司」を食べるのに依頼した事からです。

賭博場の事を「鉄火場(てっかば)」と呼んでいてかんぴょう巻やマグロの巻き寿司を食べていた事が由来で「鉄火巻」と名付けられ、現在はマグロ丼等も「鉄火丼」と呼ぶようになりました。

ただ大元を辿ればマグロや賭博場を鉄火と呼んでいたのは後付で、本来は唐辛子等で辛味を足した味噌の「鉄火味噌」から来ていて、唐辛子の赤い色や刺激を賭博場の活気や興奮状態で赤面している様をまるで鉄火味噌を食べてるようだと例えて「鉄火場」と呼ばれているそうです。

食材系子供向けアニメである「アンパンマン」のキャラクターで鉄火のマキちゃんが大好きで色々と調べたら覚えてしまった情報です。

姉御肌でロールパンナちゃんとライバル関係でコマキちゃんという妹分がいてかつぶしまんから好意を持たれていて、ピンチの時に山葵を食べると主役同様ステータスにバフが掛かり「元気100倍」という覚醒状態になる素敵なキャラです。

声優さんはあのハマーン様と一緒な方で、作者のやなせたかしさんの好物が鉄火巻だったことから……

あっ、すいません!「推しの子」の話になるとつい…

こうして貴族の食べ物からファストフードになったお寿司は現在は日本を代表する料理で、専門学校が出来たり海外でもその美味しさに虜になる人が爆増するようになったのでした。

あと熟れ鮓から始まる「すし」という言葉の由来は「酸し」…すっぱいよねこの料理、というそのままの名前からすしと呼ばれる事になります。

時代は進み、貴族の食事の頃に朝廷に献上される際に演技の良い「寿を司る」と字を当てた事から「寿司」。

さらに江戸時代になると「魚を旨く食べられる」と「鮨」が当てられたりするようになりました。

僕の以前いた会席料理のお店も、おめでたいお席のお品書きには「寿司」、御法事だったりした時は「鮨」と書き分けていました。

どちらとも「すし」と呼びますが、漢字の意味で相手の気持ちに寄り添うのは日本ならではの「粋な計らい」で素敵ですよね!

↑の画像の様に現在はスーパー等で簡単に食べられる寿司ですが、江戸時代の頃は屋台が主流でした。

しかし衛生面の問題で昭和時代に屋台で寿司は禁止されたらしく、その対応として屋内で屋台に入れて営業していた職人さんがそのままのスタイルでお店を作った事からカウンター越しの板スタイルのお店になったそうです。

その頃は冷蔵技術が今程発達しておらず、寿司の内容は基本毎日の市場状況で変わる「おまかせ」でその金額もお店によってバラバラな時価のお店も多かったそうです。

今でも板のあるお店に行くとわかりやすいようにコース等が設定されていますが、職人さんが「今日はどうしましょう?」と聞かれる事があり、その際に「おまかせで握って下さい」と伝えるのが「粋」なやりとりだそうです。(寿司屋の先輩談)

時は流れて冷蔵技術が進化して一貫ずつ決まった物を出せる様になり、更に価格を安定して出せるまで進歩すると「回転寿司店」が誕生するようになります。

そして価格は遂に一皿100円の「100円寿司」が現れます。

その頃には世界で「SUSHI」が食べられ、海外の寿司職人さんもそれぞれの地で名を馳せていく事になります。

黒人の職人さんが物凄く繊細な仕事をされていたのを見た時は驚きと共に、この技術を持っている日本の職人さんは何人いるだろうと考えさせられた経験があります。

コロナ禍でテイクアウト文化が発展した際にはネットで買えるようになる等、時代と共に確実に進化している寿司は10年後にはどうなっているのか楽しみですよね!


↑の四十萬谷本舗さんのかぶら寿司はお店で出していた程美味しい逸品です。

熟れ鮓の鮒ずし等の玄人向けのご紹介もしたいのですが、まずは「生なれ」のかぶら寿司からチャレンジしてみて下さい!

県外からお越しのお客様にご紹介やプレゼントした所、ネットでたまに買ってるというお声を頂いた時には何故か自分が褒められた気分になりました!(笑)

かぶも米麹のおかげでほんのり甘味を帯び、鰤の旨味とのマッチングは最高です。

朝廷ではありませんが、目上の方へのプレゼントには大変喜ばれますよ!

是非ヲタ飯あれ!!

海外で人気になったのはやはり「カリフォルニアロール」だそうですね!

魚の生食文化はあまり馴染みの無いアメリカでは巻物に使う「海苔」を食べる文化が無く(消化出来る酵素を持っていない為)、「黒い紙」が巻かれているように見えて嫌がられていたのですが、現地の職人さんのアイデアで海苔を巻き込みシャリを外側に持っていく事で視覚の問題を解決した事からその人気を確立させました。

↓詳しくはこちらをご覧下さい!

選ばれし民の伝説(回想)

この寿司の面白い所は100円でも2万円でもそれぞれ食べられるという事です。

それぞれの価格帯、お店の業態によってクオリティ等は変わるかもしれませんが幼児から大富豪まで人種、貧富の差を問わず食べられる料理を僕は他に知りません。

これは本当に凄い事だと思います。

以上!

実は弥生時代からの進化系料理、「寿司」についてお話させて頂きました!

海外の方は漁獲量等の事も含めてサーモン等トロっとして人気です。

一方で日本は白身から光り物や赤身、貝や烏賊、野菜や卵等も色々とありますが、どちらかといえばあっさりと食べる目的が多く見られます。

おまかせ握りから一貫単位、価格帯の選択、個人単位と確実に自由度が増えたお寿司。

あなたの1番の推しネタは何ですか?

あっ、ちなみに今のように「ネタ」と板前さんの前で言うのは何と「下品」にあたります。

気にする人は少ないのですが、あなたには知っておいて欲しいのでいくつかご紹介します!

・食事中にお茶を欲する時に「あがり」とは言わないで下さい。(すごろくのゴールをあがりという様にこれで終わりと伝える事になります。)

・ネタは寿司種…つまり具材の事を逆さに読む隠語にあたるので、推奨はしません。

隠語は沢山あります。

・醤油をむらさきと呼ぶのは当時醤油は高価な物であり、同じく高価な色とされた紫と呼ぶ様になりました。

・会計の際におあいそというのも、店側からの「えへへ…会計はこちらです。」とへりくだる様を表す言葉だったのですが、間違って使う方もいるので「お会計お願いします」と伝えるのが1番良いと思います。

・お一人様でご来店の方を隠語で「ピン」といいまして、お笑い芸人さんで1人で活動する方を「ピン芸人」と呼ぶのはここから来ています。

…等など書いているとキリが無いくらい日本料理に隠語が多いので、別の機会に纏めてみようと思います。


お寿司はどこでも買える世の中でお家でワンランクアップさせるのは確実にお茶の存在です。

お寿司じゃなくてもホッと一息ついたりミルクで割って抹茶ラテにしてみたりスイーツにかけたら和スイーツが簡単に出来たりと何かと便利な奴です。

急須が無くてもお湯で溶かせるし、プロテインに入れたりペットボトルや水筒に入れて全力でシェイクするとコンビニで毎日買うより安上がりですので本当にオススメです!

書いてたら食べたくなってきました…

 

もう誰か誘って行くしかねぇ!

たとえピンだろうと行ってやる!!

アクアマリンの様な美しい光物、ルビーの様なマグロ達を鉄火場の如く自分のアイを血走らせるようにバッキバキにして食いまくるぞー!!

 

食べ過ぎは炭水化物の取り過ぎ…?

はっ!馬鹿言っちゃいけねぇよ!!

酢が入ってたら寿司もマヨネーズも「酢の物」なのだから!!

ラーメンも冷やし中華にマヨネーズが入ってる!

ハンバーガーもテリヤキにはマヨネーズが入ってるし、フィッシュバーガーなんて「ほぼ寿司」だ!!

 

カロリーは偶像であり、嘘という魔法で輝く食べ物だ!

今一度世界に問おう!

 

「カロリーってなぁに?」

 

 

最後に一言…

 

 

 

僕はどうしょうもないほど寿司の奴隷(ファン)だ!!

 

みんなで寿司食べたら争いなんて無くなる!

たまのご褒美には是非グローバルにお寿司を食べましょう!

ただあんまりマナーについてうるさいと嫌われるから気をつけろ!!

 

ヲタ飯あれ!!

 

合わせてこちらも読んでみて下さい!

料理人として伝えたい事

パスタの書〜ソース〜

 とある料理の禁書目録

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