トップをねらえ!〜フライは良い〜

ヲタク料理人の雑学

いらっしゃいませ!

ヲタ飯屋です!!

海老フライ…とんかつにコロッケ等、人々の背徳感に寄り添った禁断の果実。

夜中に飯テロで辛い思いをした経験はありませんか?

サクッ…

この効果音は缶ビールを開けたプシュ…に近いトラウマ音、生きとし生ける物への挑発に違いありません。

どこまでも気分をハイにしてくれるヤバいヤツ。

今回はご飯屋さんだけではなくコンビニ、スーパー等でいつでも、誰でも食べられる「フライ」についてお話させて頂きます!

しかしながら体には良くないと思いつつ食べちゃうんですよね。

お肉屋さんのコロッケは何故あんなに美味しいのか。

コンビニのメンチカツは何故素通りさせてくれないのか。

その気持ちは文明開化の明治時代にすでに存在していました。

そもそも「フライ」って何だ?

「カツ」とは違うのか?

何故とんかつは豚フライじゃないのか?

そんな飯テロ軍団の大して気にならない差を深掘していきます!

 

まずフライとは…調理方法の事だッッ!

 

 

 

…以上です。

と言うと全部終わっちゃうのですが、油で作る食べ物を総称する英語でフライドフードと呼ばれます。

             僕は塩派

ご存知フライドポテト、フライドガーリックフライドオニオン等の料理名になっている物やパン粉を付けて揚げるコロッケ等も大きいジャンルとして同じなのです。

ちなみにフライドポテトは和製英語ですから海外では通じない場合がありますので気をつけて下さい!

アメリカではフレンチフライで通じますよ!

 

話を戻しまして…

日本ではパン粉で揚げる料理に対して2つの呼び方があります。

○○カツ、○○フライといった具合ですね。

まずカツというのはフランスの仔牛のパン粉焼き…「コートレット」が日本に来て訛った言葉です。

そのコートレットの牛肉が高価なので、代用した豚バージョンが豚コートレット…とんかつとなりました。

        凄い食べたい、今すぐ食べたい

この法則から、鶏のチキンカツと来て肉のミンチのメンチカツ、つまり肉を使ったパン粉揚げを「カツ」と呼ぶようになりました。

それに対して元の料理名が無い野菜のフライは野菜のパン粉揚げ、魚のフライは魚のパン粉揚げとなり、料理名は同じでありますが、例えばアジフライやカキフライ、白身魚のフライ(主にタラ等の種類)になったりします。

イカに関してはオシャレにイカリングなんて名付けたりしますが、ここでまさかの二面性を発揮してくるのは「海老」です。

         これも食べたい今すぐに。

海老はそのままの形状であれば「海老フライ」、ブツ切りやつぶし身にしたものを使えば「海老カツ」とメンチカツの要領で名前を変えてくる揚げ物界のトリックスターなのです!!

 

なのです

って言っちゃいましたけどそんな感じでまとめると、

肉か肉以外か…という事と、

海老は唯一二面性を持つトリックスターなのです!!

これで名前の差はご説明出来たかと思います。

ここで料理のコツを一つ。

お肉…つまりカツを揚げる際は二度揚げしましょう!

お肉は厚みの分だけ中心に火が通り辛いのです。当然、食材の外側から内側へと火が入りますので火の通りに差が生まれます。

そこで完全に揚がりきる前(目安として油の中で食材を箸でつまんだ時にビリビリと振動が伝わる…この振動を「かえり」と言います)になったら一度油から外し、数分置きましょう。

その理由として火というのはすべての食材に対して「ストレス」なのです。その負荷を強烈にかけ続けると固くなりやすいので、そうして食材を休ませてあげると、その食材が持った熱、温度がじんわり予熱を放ちその内側にも緩やかに火が通っていきます。

サウナで言う「整う」ではありませんが、食材に対して負担をかけるは「努力」や「根性」に繋がりませんのでしっかり休ませる事により仕上がりがしっとり柔らかくなります。

ご自宅で揚げ物を作る時は、一度揚げの休ませた状態で置いておいて、食べる時間にもう一度加熱して完璧な揚げ物が食卓に並びますよ!

これはローストビーフやステーキ等の肉の火入れにも応用出来ます!

ストレスフリーな環境は人間だけに必要なものではないのです。

「フライ」って面倒くさい!!

お店で食べたり買ってきたりする以外にも家で作る場合があります。

鶏の唐揚げやとんかつはお家ご飯の人気メインディッシュになります。

「ただいま」と帰ってきた家族や恋人に手作りのとんかつをお見舞いしたらテンションは爆上がりな訳です。

ただ!

非常に面倒くさいんですよね。

油めっちゃ使いますし…使うのは良いんですけどその処理が一番面倒くさいんです。

しかし料理をする貴方に朗報があります。

・皆さんがイメージしているほど油は多くなくて良い。

・お鍋やしゃぶしゃぶ感覚でパーティ化する。

・油の再利用は余裕で出来る。

これらのハードルが下がる理由をご説明します。

 

まずは油の量についてですが、自分一人や家族の分程度であればフライパンに油を入れる量は炒めものよりも多い程度で十分なのです!

みなさんがイメージされるフライは揚げ物屋さんのフライヤーや天ぷら屋さんのたっぷり油の入る銅鍋が多いと思われます。

あれらはそれ専門であり、一家族が食べる量とはかけ離れた量を作る為の道具、油の量なのです。

油は膨張しますし、食材も入るのでカサは増えます。

ひっくり返しながら油で焼くイメージがあれば十分ですのでご安心を!

 

そして揚げ物のパーティ化についてですが、

       キャベツはどうした?の図

小麦粉、卵にパン粉をまぶして

揚げればコロッケだよ

キャベツはどうした?

       〜お料理行進曲より〜

というようにパン粉をまぶした材料を目の前で揚げるとそれこそ揚げたてを食べられるライブ型、参加型のお鍋、焼肉、たこ焼きに並ぶパーティ系ご飯になります。

           こんな感じです。の図

チーズフォンデュやオイルフォンデュ等のように、串で指して好きな物を揚げると一気にパーティ化するのです!

簡単でかなり楽しいですよ!

茄子などの野菜は乱切りにして、お肉は一口サイズに切る、プロセスチーズやカマンベールチーズ等のネタを用意して自分の串で刺して揚がり次第口に放り込む。

しゃぶしゃぶも自分の食べるお肉を自分のタイミングで鍋に入れますよね?

その感覚で刺した物を食べる…次を指す…を繰り返していけば串も沢山いりませんし、食べ切れなければ最後に揚げて翌日なりに食べれば良いのです。

それすら面倒くさいならお肉コーナーによくある串が刺さった状態の焼き鳥用のねぎまや豚串をそのままパン粉につければ仕込みいらずの串揚げになります。

「とんかつ」を揚げるという負担感より「好きな物」を持ち寄って目の前で揚げる事の方がセンスが問われ、楽しみに繋がります。

最悪パン粉無しでもカテゴリー的にはオイルフォンデュも揚げ物になります。

「素揚げ」ですけどね!

でも素揚げ、オイルフォンデュもソースや調味料のバリエーション豊かな味付けでとても自由な料理になります。

 

そして最後の面倒くさい項目が、「残った油問題」です。

油を捨てる際は環境問題の観点から「カタマール」等の凝固させる薬品を使ったりしなきゃ駄目なのでは…

そのままゴミ箱に捨てるのは…

等の問題を解決するのは再利用するという事です。

僕達料理人も油はタダで仕入れている訳ではありませんので、使い終わった油は再利用します。

揚げた後の油は食材の水分、パン粉や小麦粉の揚げ残ったカスが残ります。

これを綺麗にする方法は簡単です!

温度が下がった使用後の油をキッチンペーパーを引いたザルとボールを使って濾してあげる。

まずはこれをしましょう!

綺麗な部分とパン粉のカス等の捨てるものが別れます。

捨てるものはそのままペーパーごと捨てて頂いて、残った油もまたの機会に使う事も出来ますが…

料理に使ってしまえ!

というのが料理人としてあなたにお伝えしたい事です!

炒め物に引く油は勿論の事、料理にはオイル漬けという保存食があります。

例えば、しめじや舞茸、エリンギ、マッシュルーム等のきのこをたっぷりの油とニンニクで水分がパチパチ言わなくなるまで炒め続けます。

無くても良いのですがローリエ等のハーブを入れても香りは更に良くなりますし、長期保存するなら鷹の爪を1本オイルに入れましょう!

これを牡蠣(かき)にするか、鶏肉にするか様々な食材がありますが、いずれもオイルごと美味しくなりますので、パスタの材料やパンに乗せてパクッとおつまみにしたりと無駄がなくなります。

           お腹空いてきたなぁ

オリーブオイルを使うレシピが多いのですが、オリーブオイルの香りが食材の風味に影響するケースもありますので、牡蠣等はサラダ油を使う事でより牡蠣オイルが美味しかったりします。

あとは海老の殻や頭が手に入るなら是非挑戦して頂きたいのが、残った油で作る海老マヨネーズです!

鍋に油と殻をいれて弱火でパチパチ言わなくなるまで揚げ続けますと、水分が飛び、殻や頭から海老エキスが出てきます。

オイルが赤く色付いてきたら海老オイルは出来ていますので、殻を取り除き冷ましましょう。

ボールに卵黄とビネガーを入れてミキサーで撹拌して分離しないように気をつけながら海老オイルを少しずつ足しましょう!

見た目がマヨネーズなったら完成です!(笑)

野菜スティックに付けたり、それこそ海老マヨに使ってみたり、かなりオススメです!

以上、捨てない方法も「工夫」と「努力」次第で様々です!

 

以上、「フライ」のハードルはそこまで高くない点、ハイにしてくれる点等を説明させて頂きました!

ただ食べ過ぎが体に良くないのは変わらないので気をつけましょう…なんて言いながらクリームコロッケを買ってきた僕が言うのも変な話ですが、やはり抗えないですね!

「根性」が足りないのかな…

 

サクッとした衣と美味しい食材達は一つ一つは単なる「火」だが…

二つ合わされば「炎」となる…!

「炎」となったフライは…

無敵だ!!

 

そんな揚げ物を是非大切な人に作ってあげましょう!

絶対に喜びますよ!なぜなら様々な面倒くさいを超えて作った「フライ」には、

あなたの、あなたの…

あなたの心が、こもってるんだからァァ!!!

そしてその人を迎えた貴方はこういうでしょう!

 

「オカエリナサト」

 

わかるやつにはわかるネタだバカ野郎!

ガイナックス最高だ!!

 

オオタ飯あれ!!

合わせてこちらも読んでみて下さい!

料理人として伝えたい事

楽しいお食事を!!

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