ミラノ風ドドリアさん

ヲタクとイタリアン

いらっしゃいませ!

ヲタ飯屋です!!

 

突然ですが!

学生の味方、ファミリーの憩いの場、彼女の腹の底を見抜く為の指針等にも使われるでお馴染みの「某ファミリーイタリアン」。

 

大好きなんですよ!!

 

学生時代の部活帰りによくお世話になりましたし、大人になってからも「昼呑み」が出来るお店としてお世話になってます。

そして必ず食べていたのは「ドリア」でした。

今回は俺達の青春の1ページ、「ドリア」についてお話させて頂きます!

実はフランス料理が原型の「ドリア」。

元々は「グラタン」の派生でバターライスやリゾットにベシャメルソースを掛けてオーブンで焼き上げるという料理。

 

そもそもグラタンには色んな種類がありまして、

 

・「グラタン・コンプレ」…火の通っていない食材にソースを掛けてオーブンで焼き上げる料理。

例…野菜のグラタン等のタイプ

・「グラタン・レジェ」…マカロニ等のパスタ等にソースを絡め、パン粉を振りかけ焼き上げる料理。

例…マカロニグラタン等がこれにあたります。

・「グラタン・ラピット」…下処理をした食材にソースを掛けてオーブンで焼き上げる料理。

例…シーフードグラタンの様に食材を1度火入れをしてオーブンで仕上げ、ソースと食材から出る味わいを同時に食べるグラタン。

・「グラッサージュ」…オーブンで焼き上げるという技法を使った調理法。

例…軽く焦げ目を付ける意味がありますので、オーブンで作るパン粉焼きやドリア、焼きカレー等もこの調理法で作る料理です。

 

グラタンとは技法であると言う事、そしてノリや食材が自由でオーブンにぶっ込んで仕上げれば全ては「グラタン」になるのです。

例えば「オニオングラタンスープ」も玉葱を炒めた鍋にコンソメを加えてスープにした物をパンやチーズを上からふりかけてオーブンで焼くという料理ですので、玉葱のグラタン技法で仕上げたスープを「オニオングラタンスープ」と名前がついています。

 

イタリアでも南部の方では「茄子(なす)」を料理で幅広く使うのですが、こちらもグラタンを用いた絶品料理があります。

ちなみにイタリア語で茄子を「メランザーナ」と言い、茄子を使った料理は「〜のメランザーネ」と名付けられる事が多いですね!

話を戻しましてご紹介したい料理は

「パルミジャーナ」です!

なんかチーズみたいな名前ですよね。

名前だけではわかりにくいので、

「茄子のグラタン」と日本では名付けたり説明されたりします。

材料、作り方は、

「材料」

・茄子(基本的にどの種類でも大丈夫です!)

・トマト缶(トマトソース用)

・モッツァレラチーズ(詳しくは後ほどご説明します!)

・オリーブオイル ・オレガノ(無くても大丈夫)

 

「作り方」

1、茄子をスライスして容器に拡げ、水抜き程度の塩を降ってしばらく放置します。

※コツ…ここで茄子自体の水分を抜く事で味が締まってよりジューシーになりますし、下味を付ける役割もあります。

どの茄子料理をする時もこの下準備は効果を発揮するのでヲタ飯あれ!

2、流水で軽く洗い、ペーパー等で水分を拭き取ります。

流水に晒す必要はありません、水っぽくなりますのでご注意を!

3、たっぷりのオイルで揚げ焼きをする要領で茄子に火を入れ、ザルをひっくり返してドーム状にしてから茄子を拡げてオイルを切ります。

※コツ…ある程度切れたらキッチンペーパー等で油を吸い出すと仕上がりが脂っこくなくなります。

4、トマト缶をフライパンに開けて水出し程度の塩をして火を入れて水分を飛ばし、あればオレガノを降って香り付けします。

※オレガノは無くても大丈夫!

↓トマトソースについて詳しくはこちらをご覧下さい!

トマト煮剣心(トマトソースの色々なレシピ等)

5、グラタン皿もしくは耐熱容器にオリーブオイルを薄く塗り、茄子→トマトソース→チーズの順に並べていき、それを容器に合わせた段数繰り返してオーブンで焼き上げる。

※コツ…チーズは正直なんでも美味しいです。

本来はモッツァレラチーズを千切って重ねていくのですが、高価だし冷めるとキシュキシュな繊維が悪目立ちするので「モッツァレラの入ったピザチーズ」が1番食べやすいし切り分けも簡単です。

ラザニアみたいに粉チーズでも良いし、スライスチーズを拡げても作りやすいです。

6、オーブンで10分を2回、前後返しながら焼き上げて完成!!

※コツ…180°のオーブンでじっくり焼くことで材料のまとまりが上がり、茄子のジューシー感とチーズ1回溶ける事により増すトマトソースとの一体感を高める事に繋がります。

7、美味しい!!

 

以上です!

これが「茄子のグラタン」です。

ベシャメルソースやミートソース等を使わなくてもグラタン技法により出来るのが「グラタン」です!


↑最近買ってみて便利なのでオススメします。

サイズはお一人様の大きさですので食べきりサイズの料理ができるんですが、そこを利用してご飯を入れてその上にミートソースやカレー、チーズを乗せてオーブンに入れたら「丼感覚」でドリアが出来るので、オーブン料理がより身近で楽になりました。

シャワー浴びながらでもオーブンが調理してくれるので是非ヲタ飯あれ!

ちなみに今はティラミスを作って冷蔵庫内で耐熱とは無縁の状態です。

焼き上がった断面も見えるので面白いですよ!

 

上記にもあるように「ドリア」もグラタン料理の1つで大人から子供まで大人気なのですが、その歴史は以外に浅く、しかも日本発祥という意外な経緯があります。

原型の料理はフランスで既に存在していたのですが、その内容は

「グラタン皿にリゾットを敷き、上から海老等の魚介やトリュフを散らしてクリームソースやチーズを掛けてオーブン焼き上げる」

という物。

料理名は「トゥルーヴィル」と呼ばれます。

そんなフランスのグラタン料理を日本に運んだのが

「横浜ホテルニューオータニ初代料理長、サニー・ワイルさん」

です。

肩書が漫画みたいにカッコいいフランス料理人のワイルさん、当時は貴族や上流階級向けだったカッチカチなテーブルマナーやホテルのドレスコードを軟化させ、より大衆にも喜んで貰えるように努力をしてくれた人格者で、引退して母国に帰った後も日本からの留学生をサポートする等、人として凄い人なんです。

そんなワイルさんはある日体調を崩したヨーロッパの銀行家のお客様を招く事になったそうで、その時に「即興」で作ったのが後に「ホテルニューオータニの看板メニュー」になった「シーフードドリア」でした。

我儘に似たオーダーにそのセンスで答えたワイルさんにお客様は感動し、

「旨すぎて草」

と言ったとか言わなかったとか。

大満足で帰ったお客様を皮切りにあれよあれよと名物メニューに。

各地に存在するお弟子さん達もそのレシピで実力を磨き、発展させ日本中に広めたのであります!

 

ちなみに「ドリア」の名前の由来はイタリアはリグーリア州のジェノヴァの名家、「ドーリア家」の中でも特に名を上げた「海軍提督アンドレア・ドーリア」が元になっているそうです。

そこからお弟子さんが出版した本に「海将風」と表記されています。

汎用性に優れる「ドリア」はご飯(バターライス等)とソースを具材と共に焼き上げるという「ライスグラタン」の通称として人々のお腹と心を満たしていくのでした。

旧式の貴族の概念や考え方を新しい感覚で吹き飛ばすスカウターのようなワイルさんだからこそ出来た料理「ドリア」。

「焼きカレー」と言ってカレードリアを日本っぽく謳っているお店に入ったら、

「あっ!ドリアって日本の料理なのに無意味な日本語表記でオリジナル感出そうとしてる!」

とか

「あっ!この焼きカレーって、グラタン料理のグラッサージュっていう料理技法使っているの知ってます?…え、知らない?信じられなくて草。」

 

って大声で叫んで嫌われろ!!

 

くれぐれもネットで晒されてあなた自身が炎上(グラッサージュ)しないように気をつけましょう。

こんがり焼き上がるのはチーズとソースだけで良いのです。

 

以上!

「看板メニューの誕生って案外こんな由来、ドリア」についてお話させて頂きました!

グラタン料理の1つで依頼主の願いを叶えたドリアはそのインパクトからファンの心を掴んで離さない「桃色の中間管理職」の様に脳裏と人々の人生の一部として輝き続けるのでした。

フランス料理が原型という事で、あなたが今後ドリアを食べる事がありましたらこの話を思い出し、食べた感想をフランス語で優雅にこう言いましょう。

 

「サボン(旨すぎて草)」

 

知らない人に聞かれるとその場の空気がフリーザ(冷凍庫)の様になるでしょうが気にしないで下さい!

 

少なくともあなたの口内は熱く煮えたぎっているはずです。

 

火傷に注意!!

あとフランスでは「きゅうり、トマト、卵」を使った料理を「ドーリア家」の国であるイタリアカラーにちなんで「ドリア風」と呼ぶらしいです!

ゴーヤチャンプルーにトマトを入れたら沖縄料理じゃなくてフランス料理になるから気をつけろ!

 

ヲタ飯あれ!!

 

こちらも合わせて読んでみて下さい!

料理人として伝えたい事

 とある料理の禁書目録

楽しいお食事を!!

コメント

タイトルとURLをコピーしました