いらっしゃいませ!
ヲタ飯屋です!!
チーズの歴史は長く、今から8,000年以上前からチーズ作りは始まっています。
1、ヤギの乳をヤギの胃袋に入れていたら急に固まった!
2、ビビりながら食べてみたらビビるほど美味しかった!
こういう経緯があり、様々な国へと広がりそれぞれの土地で独自の発展を遂げていき現在に至ります。
カビの種類や熟成期間で様々な種類に分けられ、長持ちさせる為に水分を絞ったりして時間をかけて美味しく良質なタンパク質として人々の支えになりお腹を満足させていきます。
そんな「時間」が必要なチーズ作り。
お腹が空いているのに食べられないジレンマがあり、時間をかければ美味しいのを知っているからかそ熟成を大切にしている面もあります。
しかし、
それに耐えられない人間、作っている側の「この時点で美味しいのに。」と知っている人間が新しい価値観を世の中へと旅立たせたのが、
「フレッシュチーズ」です!
今回はこの「フレッシュタイプのチーズ」についてお話させて頂きます!
まずこの「フレッシュチーズ」とは何だ?と言いますと、
カビでの熟成期間を取らない、家でも作れるチーズです!
これはご自宅で作るのにオススメですので最後まで是非ご覧下さい!
フレッシュチーズには色々種類がありますが、料理人の立場から言えば1番「使える」チーズのタイプであると言えます。
「使う」と中途半端に言うとルフィに怒られそうなので、ナミ風が立たないようにしなければなりません。
はっきり言って、どのチーズよりも「万能」なんです。
美味しいチーズや「このワイン」に適したチーズは数多くあれど、料理において「前菜」から「デザート」まで活躍できるのは本当に優秀な食材です。
例えば…
・カプレーゼ
・リコッタチーズと季節野菜のサラダ
・ピッツァ・マルゲリータ
・モッツァレラのフリット
・ブッラータの冷製パスタ
・ティラミス
お肉以外で何となく羅列したこれらは前菜からデザートまで全て使っている種類の違う「フレッシュチーズ」を使った料理です。
それ以外にもイタリアの軽食である「パニーニ」や「ピアーダ」にもモッツァレラ等のフレッシュチーズは使われます。
熟成期間を持たない事でより安価で売られるので食材としても使いやすく、各家庭や各お店で作られ、食べ方の幅広さもその人気の理由の1つです。
どうやって作るのか?
これはとてもシンプルで、
1、牛乳とレモン汁やレンネット等の凝固剤を入れて煮込む。
2、煮込むとチーズと水分(ホエー)に分離するので固まったチーズをザル等で水分を切る
3、冷めるまで水分を切っておく
4、美味しい!
となり、
この鍋の中で「塩分」は入れるか入れないか、生クリームを入れてよりクリーミーにしてみるか…
その差が各家庭、各お店での違いです。
それぞれアッサリしたチーズが良いな、いやもっとコッテリでクリーミーが好き等で好みが別れるけどそれぞれが天下一の品を作るのが楽しいジャンルでもあります。
上記にありますように、生でそのまま食べられるカプレーゼやサラダからアツアツで食べるピッツァ。
これだけでも幅が広いフレッシュチーズを数種類ご紹介します!
まずはイタリアといえば「モッツァレラ」
カプレーゼは切っただけのモッツァレラとトマトをバジルとオリーブオイルと共に口へ運ぶだけの「料理」です。
日本にもある切るだけの料理が「お刺身」です。
オリーブオイルでは無く「お醤油」や「塩」、バジルでは無く「薬味」。
それがなぜ成立するのかというと、食材自体が「完成」しているのです。
ピザに乗せれば人々の食欲をそそり、口にすればフレッシュさ、ミルクの旨味が脳へ到達。
そして脳は「次の一口」を求める。
美味しさと共にあるライブ感が特徴ですね。
日本で人気の「さけるチーズ」の様に繊維質なモッツァレラ。
名の由来はイタリア語で「切り離す」を意味するモッツァーレという言葉からです。
作る工程で鍋の中で固まったチーズはカードといい、それを切り分けて別のお湯の中で練り上げて整形する事から名付けられました。
ちなみにピッツァの生地を作る時、1枚分ずつ軽量し切り分けた物を整形する様子はまるでモッツァレラを形どるように行われるので「モッツァトゥーラ」と言います!
モッツァレラはイタリア料理のあらゆる場面で活躍し、よりフレッシュな物が好まれます。
練り上げる事で繊維が生まれ、ピザを持ち上げた時やグラタンの糸を引くチーズはこのモッツァレラの繊維があるから伸びるのです。
ご家庭で料理する時にこの「伸び」を欲した場合に「ピザチーズ」を使用するよりも、モッツァレラを使えばより求めている「ビヨーン」が手に入りますよ!
ただ!
ここでモッツァレラを使う時に注意がありまして、この「繊維」を断ってしまうと「ビヨーン」も断たれてしまいます。
モッツァレラを加熱する場合は丸いモッツァレラを「キャベツをめくるようにほぐす」と繊維が残るので、食べた時のキシュキシュとした食感が残りませんのでヲタ飯あれ!
例えば、その繊維を利用して「さけるチーズ」をパン等で包み、油で揚げればなんちゃってチーズドックの完成です!
そんなモッツァレラチーズ。
需要の高まりと生産性の面からその殆どが牛乳で作られています。
本来は水牛の乳で作っていたモッツァレラでしたが、
・水牛を育てる事の難しさ
・水牛が出してくれるミルクの量が少ない
という理由から希少なりながらも現在もその美味しさは継承されています。
この水牛のモッツァレラを
「ブッファラ」と言いまして、牛乳のモッツァレラよりも乳脂肪分が多く、よりコクがあってミルキーなモッツァレラなんです。
ピザ屋さんの事を「ピッツェリア」とイタリアでは言いまして、その中でも本格派のナポリピッツァのお店であれば「DOC(ドック)」という品名があります。
「マルゲリータ・エクストラ」と書くお店もあるのですが、通常のマルゲリータと何が違うかというと、ブッファラを使っているかモッツァレラかという違いです。
正確には
・ナポリの小麦粉、後は塩、水、生のイースト(酵母)のみ使用したピザ生地。
・ナポリのブッファラを使う。
・新鮮なチェリートマト、バジル、オリーブオイル以外は使わない。
という、規定に従ったピッツァです。
シンプルが故に材料の使い方や焼きの技術も求められ、ナポリピッツァ協会に加盟する為の試験条件としてのピッツァでもあります。
ナポリピッツァ協会は世界や未来へナポリピッツァの技術や職人さんを継承する為の組織ですので、クラシックなメニューを受け継いでいるかどうかを大切にする必要があるのです。
一口食べればそのチーズから出てくるジューシーな肉汁ならぬチーズ汁が滴る瞬間を是非体験して頂きたいです!
ピッツェリアがお近くにあれば食べてみて下さい!
そのお店にDOCが無い場合は、
「あれ?このお店には無いんですか?ナポリピッツァ協会って知ってます?」
と言って嫌われて下さい。
さらに!
ブッファラの大量生産出来ないという問題をアイデアで解決、しかもその美味しさ故に絶対的な人気を欲しいままにした、
「ブッラータ」
というモッツァレラの中に生クリームを入れてよりクリーミー、ジューシーなご褒美に食べたくなるようなチーズです!
その中はモッツァレラという城壁に守られたお宝が詰まっており、調理の必要がない位にフレッシュでミルキーな味わいを堪能することが出来ます!
オムライスで、チキンライスの上に乗せてからお客様の前で切り開いてトロトロな卵を演出するように、シンプルなトマトソースに絡めたパスタの上に「ポン」とそのまま乗せ、お客様に崩して食べて頂くお店も少なくありません。
これは決して店側が楽をしている訳ではなく、中のお宝クリーミーソースを余す所なく楽しんでもらう為です。
それだけ美味しい!
通常のモッツァレラとは比較し難い程柔らかく、ふわふわな食感も特徴。
鮮度が命なだけあってかなり限定された輸入品であり、チーズ屋さんも入荷したら個人買いする程の美味しさ!
でも「ブッファラ」の様にイタリアでしか作られない規定はありませんので、海外からの運搬する期間がない分、よりフレッシュな物が楽しめる国産の「ブッラータ」もありますので是非ヲタ飯あれ!
カッテージチーズを始めとする、モッツァレラの様に「技術」も要らないフレッシュチーズ。
その中の1つの「リコッタチーズ」。
これは是非ご自宅でチャレンジして頂きたい!
イタリア語で「再び煮込む」という意味のチーズです。
作り方は簡単。
・牛乳にレモン汁を絞って鍋に入れ、弱火で加熱。
・固まって来たら火を止めて、ザルにその塊を移して水分を切る
・美味しい!
以上です。
洗い物しながらでも出来る「放置しながら完成させるチーズ」です!
弱火で作る理由として液体の沸騰の振動で固まりかけているチーズを壊してしまうからです。
出来たばかりのまだ熱い状態のリコッタチーズをパンと一緒に食べたり、冷めた状態まで水分を抜いた頃にパンとハチミツを乗せてガブっと頬張ると世界に争いが起きている事をその瞬間だけは忘れる事でしょう。
モッツァレラは自宅でも作れるのですが、
・「低温度殺菌乳」が通常の牛乳と比べると倍以上の値段
・「レンネット」というチーズ作りに欠かせない酵素を買う必要がある
・「練り上げる」作業が難しくて大体失敗する
以上の点から正直な所、趣味で作ってみたい感情を除けば絶対に買った方が早くて美味しくて安いのでご注意を!
やっぱり職人さんの技術には勝てません!
しかし!
「リコッタチーズ」は話が別。
小さいガスコンロでも出来ますし、何と冷凍保存も効く家庭料理の味方です。
通常の牛乳とレモンがあれば出来ますから、沸騰に注意すればアニメを見ながらでも出来ます。
最後にデザートの材料としてもお馴染みの
「マスカルポーネ」
です。
イタリア北部のクリーミーなチーズで、乳脂肪分が高く、アッサリとしていてミルクの甘みを感じるチーズで、そのまま食べるよりも少しアレンジを加えて食べるチーズです。
名前の由来はロンバルディア州の方言で「ミルクのクリーム」という意味で「マスケルパ」という言葉があります。
そのチーズは美味しすぎて「マスカルポーネ!」という言葉の意味が「なんて素晴らしいんだ!」という意味としてそのまま使われる程。
ナッツやハチミツと混ぜた物をパンやクラッカーと食べても良いのですが、やはりティラミス等のデザートがこのチーズが輝く瞬間なのではと思います!
クリームチーズで作るよりもアッサリ仕上がり、料理にも食材の良さをクリームチーズに持っていかれないのでよりプロっぽくなります。(笑)
スーパーでもカップで売られているので、お菓子作りやおつまみ作りがお好きな方には良く知られているチーズです。
モッツァレラ等よりも長持ちしますのでヲタ飯あれ!
ちなみにクリームチーズも「フレッシュチーズ」の一種なのですが、こちらは他とは違って唯一「乳酸菌」を混ぜて固めるチーズになります。
ただ、熟成期間は無しです。
その代わり、プロセスチーズの様に加熱、非加熱、デザートや料理に食材としても良く使われる万能野郎です。
よく使う方であれば、細かく買うよりブロックで買った方が圧倒的に安いですよ!
以上!「フレッシュチーズ」についてお話させて頂きました!
イタリアの家庭料理で欠かせないチーズ。
買えば楽なんですけど、やはり家で作った方が出来たてで自分の好きな味で安価に抑える事が出来ます。
そんな「リコッタチーズ」のレシピをご紹介します。
材料は
・牛乳1リットル(低脂肪牛乳では無く「牛乳」)
・生クリーム(乳脂肪分40%)を200ml
・レモン果汁(2個分)
・海塩(どの商品でも大丈夫)
の4点。
こう書くと何か大変そうなのですが、スーパーで牛乳1本と生クリーム1本とレモン2個と伯方の塩をご用意して頂ければ大丈夫です!
そして作り方、コツは
1、材料を全部鍋にぶっ込み弱火に掛ける。
2、スプーンやヘラ等で塩がザラザラしなくなるまで混ぜる。
3、弱火で掛け続け沸騰しないようにして、フツフツと泡立ってきたら火を止める。
※大切なコツ…固まるまで混ぜたりせず、ひたすら放置。
4、塊を壊さないようにザルにお玉などで移していく(水分は使わないので捨てて下さい)
5、水分が切れたらザルをひっくり返して「プッチンプリン」みたいに取り出して完成!
冷め無くても食べられますが、水分をしっかり切った方が濃厚で美味しいので、キッチンペーパーを上に乗せて、お皿等の重た過ぎない重しを乗せた方が良いですね。
塩分はお好みで調整してもらえれば良いのですが、大さじ2杯位入れればコクも増し、塩分を入れないよりも長持ちしますので、用途に合わせて入れてみて下さい!
固まるまで放置というのは、コトコト火をかけ続けるとおぼろ豆腐の様にボロボロになってしまい、仕上がりが変わってしまいます。
加熱による予熱でじっくり火を通した方が美味しいです。
ザルに移すタイミングは、放置した固まりがその重さで勝手に沈んできますのでそれを目安にすれば失敗はありません!
レモンは皮が多いものと皮が薄くて果肉が多い物とで果汁の量が違うので、お気をつけて!
本当に簡単に出来る上に自家製のチーズというのは普通のお家には無いと思われるので、
誰かをオモテナシする際は自慢できるはず!!
そんなリコッタが身近にある世界!
リコリコへようこそ!!
人は殺さず、胃袋を殺せ!!
ヲタ飯あれ!!
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楽しいお食事を!
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