ラザーニャ・アル・フォルノージャー

ヲタクとイタリアン

いらさいませ!

ヲタ飯屋です!!

 

家族で仲良く食卓を囲む時に「ごちそう」と言えば何を思い浮かべますか?

お鍋…手巻き寿司…焼肉…挙げたらキリがありません。

イタリアの食卓ではパスタは日常に食べられるご飯で、ピッツァは軽食であり日本でのパーティー感は無くかなりカジュアルな「マクドナルド」的な食事。

そんなイタリアの数あるごちそうの内の1つが

「ラザニア」

です。

今回はお母さんが頑張って作る「お袋の味」の最高峰、「ラザニア」についてお話させて頂きます!!

本名はラザーニャ・アル・フォルノ

ラザニアという板状のパスタとミートソース、ベシャメルソース、粉チーズを重ねて焼き上げるというパスタです。

良くグラタンと何が違うのかという疑問を投げかけられるのですが、

・ラザニアはパスタ、つまり主食。

・グラタンは食材にベシャメルソース掛けて焼き上げる料理で、パン等と一緒に食べる「おかず」です。

日本人が想像しやすいグラタンにはマカロニが入っていますが、あれは「マカロニグラタン」です。

料理としてのグラタンはパスタが入りません。

ラザニアは特別な日に食べる!

それぞれの家族で違う記念日。

お祝いの日にお母さんが腕によりをかけて作るお袋の味…いわゆる「マンマの味」。

味付けも違えば地方で入れる食材も違うルール無用なのに記念日に食べるルールを持つパスタです。

料理人が仕事で作ったりするのとは訳が違う、記念日のたった1食の為に朝から仕込みを始める愛に溢れるその料理の工程は簡単。

先程ざっくり説明した通り、

パスタ、ベシャメルソース、ミートソース、粉チーズを薄く重ねていきオーブンで焼き上げるという「字にしたら」簡単な物。

しかし仕込みをバラしていくと…

・パスタ生地を練り、生地を休ませた後に薄く延ばし、茹でた後は余分な水分を布で拭き上げる。

・ミートソースは香味野菜とお肉を炒めてトマトソースで煮込む…お肉の旨味がしっかりソースに煮出すにはそれなりの時間が掛かる。

・ベシャメルソースはそれ程大変ではありません。バターと牛乳と小麦粉ですぐ出来ます。

・チーズは粉の物を用意。

・全ての材料が揃ったらやっと焼き始めるけど、焼き上げるにも時間が掛かる。(後ほどご説明します)

これを仕事場の広い厨房では無く、家のキッチンで作るのは本当に大変!

夜ご飯に仕上げるのなら、それより前の朝ご飯やお昼ご飯でもキッチンは使うでしょうしマンマの心中はまさに

「マンマ・ミーア!」

 

 

 

 

…ってね。

そんな「はは」の味、ラザニアは実は紀元前から存在しています。

最初は「ラガヌム」という平たい生地でした。

それを切ってスープで食べるというスタイルで、麺として扱われる前の麺棒で伸ばした広がった形状を揚げて食べたりパイの様に包んで蒸し上げるというクレープに近い存在でした。

ギリシャからローマへ伝わった紀元前は製麺機なんてある訳ない時代。

切って麺になる前のプロトタイプなのだとしたら最古のパスタといっても過言ではありません。

平らなパスタは時を経て様々な形に派生していき、イタリアの中世の頃には僕達が知っているラザニアになりました。

キリスト教のイベントで最も大切とされる「復活祭(イースター)」というキリストが復活した日を祝う行事があります。

その復活祭の前の40日間はキリストの断食にちなんで「お肉を食べない期間」でして、その前の数日間は「謝肉祭」といってしばらく食べないんだから今の内に肉パーティーしようぜ!っていうお祭りがあります。

ピッツァで有名な「ナポリ」ではその謝肉祭最終日に「ラザニア」を食べます。

ちなみに先程説明したのはイタリア北部の「エミリア・ロマーニャ州」のボロネーゼでお馴染みのボローニャ地方の作り方。

そして地方で違う作り方の代表でして、イタリア南部のラツィオ州の「ナポリ」の作り方で、材料が異なります。

ラザニア生地、ミートソースは変わらないのですが、ベシャメルソースの代わりにリコッタチーズ等のフレッシュタイプのチーズを使い、肉団子や卵、サラミ等の具沢山なラザニアになります。

↓リコッタチーズを始めとするフレッシュタイプのチーズについてはこちらからどうぞ!

リコッタリス・リコイル

舞台はアメリカへ!

上の画像の様な「チーズが伸びる」ラザニアはアメリカのラザニア、そして日本人がイメージするラザニアです。

材料をご紹介した通り、粉チーズ又はとろける要素ゼロのフレッシュチーズを使うイタリアに対してビジュアル的にも映える「伸びる」プロセスチーズを使った料理。

↓アメリカがプロセスチーズ大好きな理由はこちらからどうぞ!

マシン皇帝チーズ

アメリカに渡ったラザーニャ(イタリア発音)は数多ある「パスタの名称」でしたが、ラザニアと発音された言葉、料理がそのまま伝わって、日本では「ラザニア」という「料理」を指す様になりました。

イタリアとアメリカのラザニアの大きい差は

・イタリアは平らな麺

・アメリカは波打つ形の麺

です。


↑こんな形です!

アメリカでも「お袋の理由」として各家庭にレシピが存在します。

菜食主義者の方も多いアメリカでもラザニアは自由な具材を美味しく食べられるので大人気です!

実は簡単なラザニアの作り方!

今までは散々美味しいけど面倒くさい、お母さんの努力が伺える料理とお伝えしたのですが、フルで最初から作ると大変というだけで、「楽をする方法」を今からご紹介させて頂きます!

 

「材料」

・乾燥ラザニア ・ミートソース(レトルト)

・合い挽き肉(たっぷりの方が美味しいです)

・バター ・牛乳 ・小麦粉 ・ナツメグ(無くても大丈夫です)

・オリーブオイル ・粉チーズ

・ローズマリー(無くても大丈夫です)

※グラム数に関しては好みが別れますので、ベシャメルソースたっぷりが好き、ミートソースがっつり等のあなたのお好きな分量で大丈夫です!

 

「作り方」

1、鍋にオリーブオイルで挽き肉をカリカリになるまで炒めてミートソースを入れ煮込み、ナツメグを少々を入れる。

このタイミングでローズマリーの葉を入れて煮込めば肉の臭みが取れて、ローズマリーの香りが入る事によりミートソースのクオリティが格段に上がります。

2、別の鍋にバターを溶かして小麦粉を入れて弱火で暫く炒めます。

振るいにかけて小麦粉を入れたりもしますが、面倒くさいので必要ありません!!

少しずつ牛乳を足せば絶対にダマになりません。ガッツリ入れるとダマになりやすいので気をつけましょう!

※コツ…この場でしっかり炒めるとバターの香りがより引き立ちますが、炒めすぎると「分離」してきてベシャメルソースの仕上がりがなめらかじゃ無くなります。

鍋底に軽く引っ付いてくる状態になったら牛乳を入れると、香りと滑らかさのバランスが良くなりますよ!

3、ベシャメルソースの仕上げに塩コショウ、少しのナツメグを入れて味の調整をします。

ベシャメルソースの「硬さ」は軽い方が扱いやすいので、玉葱が入ったドレッシング位の「トロっ」と「シャバ」の間くらいが良いですよ!

味付けの目安は「美味しいと思うかどうか」で大丈夫です!

4、耐熱容器にオリーブオイルを少し引いて(くっつき防止)まずはラザニアを乾麺のまま底に引きます。

そしてミートソース→ベシャメルソース→粉チーズ→麺の順に重ねていくのですが、ここで大切なのはソースの濃度です。

ベシャメルソースの様にある程度軽い状態にミートソースも硬さを緩めて行きます。

ドロっとしたソースを重ねるとラザニアの層のバランスが悪くなり、カットした断面がソースが多いせいで崩れてしまいます。

軽いソースを重ねて重ねてジューシーなラザニアを仕上げるイメージを持って下さい。

デザートのミルフィーユが2、3段しか層が無かったら仕上がりが変わる様にラザニアもある程度層を重ねた方が美味しいですよ!

5、ソースを重ねる段階でミートソースの後のベシャメルソースをかけたらスプーンやフォーク等何でも良いので軽く馴染ませるように混ぜましょう!

そうすればソースがまんべんなく広がり、仕上がりが綺麗になります。

その工程が手間だと感じたらベシャメルソースとミートソースをあらかじめ混ぜても構いません。

※ただ、混ざっている所とベシャメルソースが多く乗っている部分、ミートソースが多い部分をあえて作って「メリハリ」を付けると1皿に対して表情が付くのでヲタ飯あれ!!

6、1番上は粉チーズにしたら軽くオリーブオイルを振りかけ、200度位のオーブンで30分焼きまして、前後を返してもう30分じっくり焼いていきます。

オリーブオイルを最後にかけたのは焦げ目を必要以上に作らない為です。

じっくり焼く分旨味は凝縮されるのですが、焦げてしまうと苦くなるんです。

ある程度の大きさを作るつもりで説明してますが、もし小さいサイズであれば10分を2回で大丈夫です!

 

7、以上を食べる前日までに済ませておきましょう!(笑)

半分冗談です、必須ではありません。

というのも、「焼き立て」って味が馴染んでないから中途半端なんですよ…

美味しいんですけどね。

一晩寝かせたラザニアと「焼き立てグツグツ」のラザニアとは全然美味しさが違います!

カレーの具材が一晩ルーに漬かることにより味が浸透する様に、ラザニアにも同じ事が言えます。

イタリアの食べ方も大きく作って取り分けて食べる様に、お店では大きく作って切り分け、加熱してお客様にお届けするお店も多い中、

オーブンで焼き立てのラザニアを耐熱容器のままドンッとお客様の前に持って来て「どうぞ!」みたいなお店もあるのですが、本当に美味しい物を提供するならそんな中途半端な出し方はしな…

あっ、これ以上は止めておきます。

 

という理由から少し休ませて味を馴染ませた方が美味しいので、お母さんは早起きして作るのです!

マンマ・ミーアだぜ!

以上!

ラザニアの作り方だったのですが、

ミートソースのレトルトは楽をする為、ラザニアは乾麺で十分だという理由での説明でしたが、本気で作りたい場合は生パスタもセモリナ粉を買ってみて麺棒で延ばしても面白いですよ!

↓ミートソースのレシピ、お話はこちらからどうぞ!

瞬間、旨味、重ねて

              カネロニ

僕は料理は楽しく簡単であるべきと思っていますので、より簡略化したレシピをお伝えしております。

ラザニアとは少し違うのですが、もっと楽をするやり方をご紹介致します。

「カネロニ」というパスタをご存知でしょうか?

筒状の乾麺パスタなんですが、上の画像の様に中に好きな具材を詰めてベシャメルソース、チーズを振りかけオーブンで焼く「重ねすらしないパスタ」です。

リコッタチーズやお肉を詰め込んでソースを掛けて焼く。

ラザニアの手間とはなんぞやと言わんばかりの料理です。

乾麺を使えば茹でたカネロニに好きな具材を入れて耐熱容器に並べる。

もし生パスタで作るなら麺棒で伸ばしたパスタ生地で太巻き寿司を作る要領で具材を乗せてパスタ生地を巻いていき、カットした後オーブンで焼く。

 

これが美味しいんですよ。

 

お店ではカボチャのペーストやチーズを詰めたりしますが、これだけで美味しい!

ベシャメルソースじゃなくても生クリームとチーズで堪らなく美味しい!

マンマ・ミーアですよ。

 

ちなみに生パスタの割合は

・セモリナ粉200グラムに対して全卵1個

※卵の個数はサイズにより変動しますが伸ばす際の打ち粉を計算して、セモリナ粉と卵をしっかり混ぜ合わせてほんの少しペタつく手触りを目安にすれば良いですよ。

塊のまま乾燥しないように30分程冷蔵庫で休ませたら麺棒で伸ばしましょう!

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↑湯で時間は3分ほどで細麺パスタよりも短いので小腹が空いた時や何かもう1品欲しい時にも活躍します。

詰め物は何でも良いし、上記のラザニアのソースレシピとしっかりと焼き時間があれば茹でなくても仕上がるというあらゆる手間を省いたパスタです!

僕は家に常備してます!(安い、旨い、早い)

以上!

「ファミリー」の為であり、食べた人が笑顔になる「世界平和」に繋がる料理、「ラザニア」についてお話させて頂きました!

スーパー等でもラザニアキットを見かける様になり、ラザニアが好きな方が増える一方でその作る手間が認知されてハードルが上がってしまったこの料理。

少なくともあなたにはそんなに難しい料理ではないし、楽をする部分も沢山あると知って頂ければ幸いです。

特別な日に「ちち」と「はは」と食べるラザニアは格別です。

大切な人がもし思い浮かばなければ「あなた自身」を大切な人としてラザニアを食べに「おでけけ」してみてはいかがでしょうか。

 

長々とラザニアについて語ったのは、僕が独立した際にラザニアに力を入れるからです。

いずれあなたにも食べて頂けるように日々行動しております。

手軽にレンジで温めるだけのラザニアを色々な人に食べてもらいたい!それが熱く語った理由です。

 

 

ラザニアのようにね!!

 

 

 

 

…なんて。

こんな独りよがりな文章を読んでくださりあざざます!

 

これからもあなたが楽しめるようにがんばるます!!

 

ラザニアとミートソースとベシャメルソースとチーズ。

異なる存在が一体になった家族の絆。

みんないっしょがいいです!

是非1度作ってみて下さい!!

 

ヲタ飯あれ!!

 

その他のソースについてはこちらからどうぞ!

パスタの書〜ソース〜

こちらも合わせて読んでみて下さい!

料理人として伝えたい事

楽しいお食事を!!

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