瞬間、旨味、重ねて

いらっしゃいませ！

ヲタ飯屋です！！

　

パスタには数多のソースがあるのですが、特にイメージしやすいのがミートソースだと思います。

ゴロっとした形が残った煮崩したお肉たっぷりのソースにたっぷりチーズをかけて食べる罪深き一品。

そのソースは老若男女人種性別を問わず愛され、人々の心の壁を取り除き、ほとんどの人が子供の頃初めて食べるパスタはこの味というパスタソース界のアダムとイヴ。

今回はこの「ミートソース」についてお話させて頂きます！

ミートソースと言うのはざっくり言いますとお肉や香味野菜をトマトソースで煮込んだ物です。

スーパー、コンビニ、ネット販売等でも手軽に入手できる部類のソースですし、家でも簡単に作れます。

ミートソースで検索をすればレシピや動画は沢山調べられるのですが、入り口が広い分奥も深いものです。

ちなみにミートソースは日本での名称ですので、イタリアに行ったらラグーソースと注文して下さいね！

ラグーとはフランス語で「煮込む」

という意味で、地続きのヨーロッパの様々な国や地域でそれぞれ発展、進化していったラグーソース。

肉、魚問わず煮込んで作るソースをラグーソースというので、日本でいうミートソースも同じラグーソースの内の１つという事ですね！

　

そんなレシピが書かれている料理本。

僕が和食時代から現在に至るまで買い漁っている料理本とネット上のレシピには「材料、行程、イメージ図や解説」は書かれているのですが、それらを理解する上で必要な理由が書かれているケースが少ないのです。

この理由が大切なんです！

「きつね色になるまで…」

「火が通ったら…」

等のテレビでも良く使われるフレーズ。

・何できつね色になるまでなのか

・どこまで火を通すのか

そこには理由が説明されていません。

そこで有耶無耶にして中途半端にしている結果思った仕上がりにならないのです。

ここからはミートソースに限らないのですが、料理を美味しくするコツをお伝えしていきます！

メイラード反応という言葉をご存知ですか？

例えば、玉ねぎを炒め続けるときつね色に変色してくるアレの事です。

これは一体何を目的としてそこまで炒め続けると言うと、炒めていくと水分が蒸発していって玉ねぎ自体が持つ甘味、旨味を引き出すのがその理由です。

真っ黒に焦がすまで行くと甘味が苦味になってしまうので、「目安としてきつね色」なんですが、しかしこれでは中途半端です。

色ではなく状態を理由付けするのがテレビやネットでは抜けています。

玉ねぎやセロリ、人参等をよく使うのですが、これらを香味野菜といいまして、微塵切りにして水分を飛ばして鍋やフライパンに少し焼き付いて来るまで炒めると、旨味がグッと増します。

フライパンに焼き付いた「茶色」は、「きつね色」を超えた旨味の塊になっています。

焼き付いた軽い焦げは旨味の濃縮されたメイラード反応です。ワンカップ位の適当な量で大丈夫ですのでそこに水を入れて木ベラ等でその鍋肌や鍋底に付いた焦げをこそぎ落としましょう。

炒めれば炒める程旨味は凝縮されますのでこれをもう１、２回繰り返す…出来上がった濃縮された香味野菜を

「ソフリット」と言います。

これが欲しいんです！

これが「きつね色」に誤魔化された旨味の正体なんです！！

お肉も同じ。

煮込む前提の料理やソースに入れるお肉はカリッカリに炒めても大丈夫です。

ちゃんと煮込めば柔らかくなります。

　

お肉の特徴として…火を入れ始めるとカチカチになるんですけど、煮込み続けるとお肉に含まれるコラーゲンが煮汁に流れ出し、それにより柔らかくなっていく性質があります。お肉がホロホロになったビーフシチューを想像してもらえればわかりやすいですね！

ですので旨味の塊、メイラード反応を狙ってカリカリにしたお肉でも問題ありませんし、更にお肉を焼き付けたフライパンに付着した旨味には赤ワインを入れて旨味を逃さない様にしましょう。

ちなみにここで使うワインもルビー・ポートワインという酒精強化ワインという糖分を加えた料理によく使われるワインの方が仕上がりが違います！

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後は煮込むだけ

作り方はこちら

１、ニンニクをきつね色に炒めたオリーブオイルに旨味の凝縮した材料を加える。

２、香り付けであり、お肉の脂の臭み取りの効果のあるローズマリー等のハーブをさらにトマトソースで煮込んでいく。

※コツ…鍋底から焦げ付いてくる（飲食業界用語で当たるといいます。）ので、当たった場所を木ベラ等でこそぎ落とす。

鍋底の当たった焦げも旨味の一部です。

３、バターを別の鍋で溶かし、少量の小麦粉をバターと混ぜ合わせルーを作り、煮込んているソースでベシャメルソースを作るように伸ばしていき、最終的に合体させ完成。

４、美味しい。

という訳で、

この旨味を凝縮した物を重ね合わせて行く事で最高のソースが生まれます。

これがお店で食べるやたらと美味しいカラクリです。

　

実はチョコレートやコーヒーもメイラード反応の塊です。

隠し味で

・カレーにチョコレート

・コーヒーを入れてコクを出す

ソフリットに似た旨味を重ねる効果なんですよ！

もし今後あなたが理由も知らずに「きつね色」を目指して玉葱を炒めている人を見た時は

「アンタ、馬鹿ぁ？？」

と言ってやりましょう！

そして嫌われろ！

炒めた玉葱が飛んできても罵声が飛んできても僕のせいではありませんのであしからず。

以上！

実は家で作れる「ミートソース」についてお話させて頂きました！

　

コツや理由を知ればあなたでもミートソース位楽勝で作れます！

知らない人に対して「マウント」をとるお店やスタッフもいる残念な世の中。

　

礼節をわきまえ、相手を信じ、明日からの言動に気を付けて行けばたとえ喧嘩しても当時の間柄になれると思います！

　

心をシンクロさせて美味しいご飯を作り上げましょう！

　

ヲタ飯あれ！

　

その他のパスタソースはこちら！

・パスタの書〜ソース〜

こちらも合わせて読んでみて下さい！！

・料理人として伝えたい事

楽しいお食事を！！