いらっしゃいませ!
ヲタ飯屋です!!
「白い悪魔」こと僕達の愛する白米。
その実力と人気で世界中を幸せと破滅をもたらす炭水化物です。
その料理レパートリーは国ごとに存在し、アレンジが効く主食です。
炊き上げるだけで美味しいのに味付けしておけば炊き込みご飯、炒めればチャーハン、鍋料理の出汁等で煮込めばおじや、リゾット等…
ってちょっと待った!
よくテレビで自称料理人や伝説の家政婦みたいな中途半端な知識とスキルの人種が、全国の主婦や料理勉強中な人にマウントを取って鼻の穴を広げていい気になっている人達が間違った表現をしがちなので、皆さんに改めてお伝えします!
「お鍋にご飯とチーズをたっぷり入れて…チーズリゾット風です!」
「うわぁ!絶対に美味しいヤツー!!」
という風景を見た事ありますか?テレビでその映像を想像したりする事も容易にできますよね!
それは雑炊だよ!
知らねぇのかよ料理研究家なんだろ!!
アンタ等街の料理人達に笑われてるぞ!!
…等と、知っている人から見ればアレ?と疑問に思う事も平気で言っちゃう方を見たのでこれを気に…というよりも皆さんが日常で召し上がる米料理の見分け方を解説していこうと思います。
今回は「米料理」の事をお話させて頂きます!
まずは簡単に
・おじや ・雑炊
・おかゆ ・リゾット
これ等の違いを説明しますと、
味付けした出汁に炊いてあるご飯をそのまま入れて煮込んだ物をおじや。
そのままではなく、水で炊いてあるご飯を洗ってお米の粘り気を取ってサラサラの状態で煮込んだ物を雑炊。
生米、もしくは炊いたご飯を水で柔らかく煮込んだ物をおかゆ。
イタリア等で取れる粘り気の少ないお米をブイヨン等の出汁でフライパン等を使ってその場で炊き上げる物をリゾット。
その他で言えばブイヨンや具材を炒めた生米と炊き上げるピラフ…こちらは日本で言うところの炊き込みご飯。
冷や飯を利用して炒めたチャーハン等々。
そう…全然違うのです!
正直言うと僕も最初は知りませんでした。
和食で働いていた頃、友達との宅飲みで鍋をした時、
「お鍋にご飯とチーズをたっぷり入れて…チーズリゾット風です!」
「うわぁ!絶対に美味しいヤツー!!」
ってやってました…(笑)
しかしそれから知識を蓄え、実際にリゾットを作るようになった身として、これから皆さんにこのカッコ悪い知ったかぶり事故を引き起こさせる訳にはいきません!
おじやと雑炊は似ていますが、雑炊に入れるご飯は先に水で揉むようにほぐして粘り気を取ると、パラパラでサラサラな状態で、余計な水分を吸いにくくになります。
そしてボールとザルを使って水を入れ替えながらその作業を続けると、水の濁りが無くなります。
その状態のご飯を出汁に入れて煮込んでもダマにならないということに加えて出汁が透き通った仕上がりになります。
そのままでしたらどうしても出汁が濁るんです…せっかくの美味しい鍋の出汁も味わいが変わってしまうのです。
それに対しておじやは少し煮込む前提です。
まるで出汁を食べる様にご飯に出汁を吸わせた、ご飯の強化パーツです。
お茶漬けの様にサラッと食べる「雑炊」。
カップ麺の出汁にご飯をぶっ込んで人目を気にしながら食べる背徳的なSDGsメシは「おじや」。
ここまではご理解頂けたでしょうか?
次は自称料理研究家等の無知を電波に乗せて配信しているデジタルタトゥーでお馴染みの「リゾット」です。
こちらと「お粥(おかゆ)」の共通点は生米を使うという事です。
作り方は簡単…煮込むのです!
ちなみに炊いたご飯を使うお粥よりも生米から煮込んだ方が艷やかな仕上がりになり、お米も潰れないのでぷっくらしています。
ダマにもならなくて出来上がる時間も大きく変わらないのでオススメですよ!
出来上がりの目安はお粥が艶々と綺麗に光り、ぷっくらしたら火を止めて塩を少々入れて馴染ませる様に混ぜ合わせると、お米の甘みと香りが引き立てられます。
僕はお粥は病気の時に食べるものだとしか認識していなかったので、本当に美味しい作り方のお粥を食べて本当に驚いた思い出があります。
ふりかけや梅干しが無いと食べる気にならない炊いたご飯から作る水っぽいお粥しか食べた事ありませんでしたから、何もいらない…というよりもこの状態の方が美味しいんですよ本当に。
「リゾット」は「お粥」と違い、完全に生米から作ります。
フライパンや鍋で作る点は同じとして、まず今までの3種類との違う点は使うお米です。
僕達日本人が普段主食としているのは「ジャポニカ米」といって含まれる水分や糖度、粘度が比較的高い種類です。
対してリゾットに使うお米は「インディカ米」の一種でして、カルナローリという種類が良く使われています。
他にもアルボリオ等もありますけどね!
ヨーロッパでは麦が主食だった事から元々麦を使った料理だったらしいのですが、後に中東から伝わったインディカ米を使う事に。
カルナローリの特徴はジャポニカ米よりも粘り気と水分が少なく、でんぷん質を多く含む長い粒のお米。
出汁を良く吸収し、煮崩れしにくいとリゾットに適した最高のパートナーです。
そんなリゾットの作り方は実はお粥とそれ程変わりません。
カルナローリを具材と共に出汁で炊き上げる。
…基本的には以上です。
ただ違う点、美味しく作るコツは、生米をフライパンや鍋に入れてオリーブオイルやバターを纏わせる…つまり軽く炒めるのです。
そして油分が香りだした頃にブイヨン等の出汁を入れていきます。すぐに吸っちゃうので、いきなり沢山入れずに足していく様にしていきます。
出汁の他にワインを入れて香り付けしたり味付けしたりもしますが、それは入れる具材に合わせていきましょう。
具材の入れるタイミングは食材によるのですが、メインの味やチーズ等はお米に味が入っていくので早めに入れると良いですよ!
例えば
・鶏肉をいれるならば最初に炒めて旨味や鶏のオイルを生米に纏わせる。
・チーズリゾットであれば、ブイヨンと共に入れてしまう。
考え方としては炊き込みご飯に近いかも知れませんね!
美味しい出汁を存分にお米に吸わせていきましょう!
ここで注意点はあまり混ぜ過ぎ無い事です。
豊富なでんぷん質が混ぜすぎると粘り気が出る原因となって、それぞれが重くなって潰れたりします。
雑炊みたいに仕上がりに影響が出るんですよね!
最初にオイルを纏わせる理由はぷっくら粒立てる仕上がりにする為です。
炊き込みご飯のように出汁の量を測ってもいいと思いますが、少しずつ入れていった方がいい理由としてアルデンテ(少し芯の残った状態)への調整が聞きやすいからです。
ただ、リゾットのアルデンテは無理して作らない方が良いと思います。
「生炊き(中途半端な炊き上がり)」の様に不快に思う方が多いんです。
仕上げにチーズをかけたりオイルやパセリを散らしてリゾットの完成です!
ちなみにこのリゾットを丸くオニギリみたいにしてフライにすると、アランチーニというイタリア版ライスコロッケになります。
イタリアのお惣菜屋さんやバーカロ(スペインでいうバル)等で軽食やおつまみとして人気なんですよ!
あとアランチーニはイタリア語で「オレンジ」。丸くて茶色がかった衣をオレンジの皮に見立てて名付けられたそうです。
というように、理由と状態の差がわかれば全て全く違う米料理という事が理解して頂けるはずです!
テレビや友人にも得意げに言う人間が蔓延っています。
「残った出汁でリゾット風に!」
そんな場面に出くわしたあなたはもう間違いません。
そんな事言ってる人には
違う!おじやだバカ野郎!二度と使うなよ!!
何だ風って!一生言ってろ!!
エターナル・ウィンド野郎め!
チーズ溶かしてビヨーンがしたいだけだろ!!
Gotoビヨンド・ザ・タイムだこの野郎!!
アニメじゃないんだぞ全く…
と思うはずです。
声に出してしまうとせっかくの楽しい鍋を囲んだ時間がパーになりますので、心の中(サイレント・ヴォイス)だけで言いましょう!
今回は「米料理」についてでした!
雑炊はお出汁とご飯の絶妙なジャスト・コミュニケーション。
おじやはまさに一期一会のめぐりあい。
お粥の艶はまるで嵐の中で輝いているかの如く
リゾットは例えるなら儚くも永久の愛(カナシ)…どんなに姿形が変わってもに愛される。
そんな世界中で愛される米料理の数々…
敬愛する機動…じゃなくて革命戦士、長州力さんも飛ぶぞ!って言うに違いありません!!
これからも皆さんに料理人…いえ、米料理を
作り続けるお米の戦士として戦い続けて行きますよ!
皆さんが間違った知識を使う日に終わりが訪れる日まで!!
米、戦士より…米の星へ愛を込めて
ヲタ飯あれ!!
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楽しいお食事を!!
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