いらっしゃいませ!
ヲタ飯屋です!!
寒い季節になるにつれて食べたくなるお鍋。
暖かい部屋で仲間や家族とワイワイ囲んだり、昨今ではお一人用の小さい鍋でまったりとした時を過ごすのもオツですね。
そんな食卓は海外でも存在します。
イタリアは勿論、ヨーロッパでそういうお鍋感覚で楽しむ料理に「チーズフォンデュ」があります。
チーズを白ワインで加熱しながら溶かし、コーンスターチ等で分離しないようにトロみを付けたチーズにパンや好きな野菜、ハム等を絡めて食べる、ヨーロッパのお鍋です。
その溶けているチーズは何チーズなの?
答えはパルミジャーノ・レッジャーノです。
…と言ってもそれは各国、各家庭で違いまして、イタリアではパルミジャーノ・レッジャーノが多く、スイスはエメンタールやグリュイエール、オランダはゴーダ等など…
作り方は同じですが材料は変わるこの料理の共通点は、
「ハードタイプのチーズを使う」
という事です。
今回はこの「ハードタイプのチーズ」についてお話させて頂きます!
ハードチーズにはもう1種類、
「セミハードチーズ」
というゆで卵で言う所の「半熟卵」のような、水分量の違いと熟成期間の短い物があります。
ハードチーズの作り方は牛乳と凝固剤になる材料を入れて固めたチーズに「重し」を乗せて圧搾していき、その残した水分量で「セミハード」か「ハード」かを分けていく事から始まります。
「白カビチーズ」や「青カビチーズ」等と一緒な「ナチュラルチーズ」なのですが、その水分量の調整と長期の熟成期間によりトロトロやクリーミーなチーズとは「対極な硬さ」になります。
「硬いチーズ」を何故作るのか。
それは保存期間の長さによるものに加えて、「作っていた場所」による理由が大きいです。
「山岳チーズ」とも呼ばれ、イタリア北部やスイス等の山岳部、「アルプスの少女ハイジ」をイメージして頂ければ良いと思います。
あの山々に囲まれた土地では「塩」の確保が大変でして、山を降りて街で買ったりしていました。
山の乳は乳酸菌が少なくて熟成が進みにくいらしいです。
含有水分量を減らし、脱水した物を長期熟成させて形はより空気に当たりやすいようにタイヤの様に大きい円型にして水分を更に飛ばしていきます。
山では大量の乳が手に入り、チーズを沢山作れたので大型で運びやすい形になったのは必然だったのでしょうね!
フレッシュなチーズは山の上から運搬する際に形が変形してしまったりと不向きなのです。
そんな「山の暮らし」が反映されたハードチーズなのですが、熟成期間が長い分濃縮されたその旨味、コクは別格です。
その期間は18ヶ月から36ヶ月。
1年以上掛かります。
「カマンベール」等は3週間から食べられる様になりますのでその期間の差は一目瞭然です。
山岳部に暮らす人達の郷土料理として「チーズフォンデュ」があります。
ちなみにお鍋のようにチーズを絡める物を「チーズフォンデュ」、噴水みたいに上から流れてくるものは「チーズファウンテン」と言います。
そもそもの始まりは時間が経って固くなったパンを柔らかくして食べるという目的でした。
野菜やソーセージ等をつけるのは最近になってらしいです。
あとスイスでは串に刺したパンをチーズに絡めた際に串から外れたら罰ゲームをして楽しむという風習があるみたいですよ!
日本にも闇鍋なんてあるので、楽しみながら食べるのは世界共通なのです。
「ハイジパン」こと、暖炉でチーズを溶かしてパンにドカッと乗せてカブりつく、誰もが一度は憧れるアレ。
ハイジの舞台はスイスですので「セミハードのラクレット」というチーズだと思われます。
日本でも食べられる様になった溶かして野菜やお肉に溶かし掛ける料理。
見た目もライブ感もSNS映えするので女性にも人気!カロリーは…ご愛嬌。
このように加熱して溶かしながらリゾットやパスタを食べると特別感が凄くてお店で食べるだけではなくイベントでも活躍したりします。
例えば「パルミジャーノ・レッジャーノ」を大きい物を1個買ってパーティーやイベントに持っていけば主役になれる事でしょう!
お求めやすくなっておりますそのお値段は…
1個20万円ポッキリ!
…高っけぇっ!!!
そう、大きいだけあってかなり高価なんです。およその価格なのでピンキリでもう少し安い物もあれば熟成期間が長い物であればもっと高価にもなります。
しかも1個で30kg程の重さがあります。
ですので基本的には大きな塊をカットして買います。
セミハードもハードもそのまま食べる事も可能で、その際は薄くスライスしてチビチビ食べる事が多いですね!
それだけ味が濃く、ナチュラルチーズのようにパクっと口にすると少し勿体ないです。
チーズのカッティングはお店や人のセンスが全面に出ますが「セミハード」は薄切りや角切り、「ハード」はスライスやゴロッと形を崩した形状でお出しする事もあります。
「セミハード」といってもカッチカチな訳ではなく、「トムとジェリー」等のアニメで出てきそうな「穴開きチーズ」をイメージして頂ければ良いかと!
こちらは溶かす事もしますが削ってサラダにかけたり、グラタンのチーズにしたりと万能です。
チェダーチーズやゴーダチーズ等もこの「セミハード」の部類でして、これらは「プロセスチーズ」の材料としても世界中で重宝されています。
こちらもヨーロッパから輸出される際に船で運搬する必要があります。
「山から街へ」から「自国から外国へ」と変化しましたが、形状を変える事無く、その先人達の技術や知恵は受け継がれて行くのです。
パルミジャーノ・レッジャーノはパルメザンチーズと良く一緒にされるのですが、全く別物です。
パルメザンというチーズもスイスにはあるのですが、スーパー等に売っているパスタにかけたりする筒状の商品は上記のスイス産とは違います。
パルミジャーノ・レッジャーノを削った物を各国は作りたかったのですが、イタリアでは「チーズの王様」と呼ばれ、限られた地域で作られた認定を受けた物のみがパルミジャーノ・レッジャーノを名乗れるので、海外で作られた物は同じ材料、同じ製法でもその名を冠する事は出来ません。
イタリアはハードチーズの種類が多く、パスタのソース、仕上げのチーズにかけたりと料理に大活躍!
例えば「カルボナーラ」はイタリアでも大人気なパスタです。
日本でのカルボナーラは「生クリーム」を入れたりするお店やネットのレシピがあったりしますが、イタリアでその作り方をすると驚かれます。
「カルボナーラ」は日本で言う「釜玉うどん」の様な物で、クリームでは無く卵パスタなのです。
個人的には美味しければ正解なので声高に反対するわけではありませんが、やはり現地の作り方は
1、パンチェッタ(ベーコン)を少量のオリーブオイルで炒める。
2、パンチェッタから出たオイルと茹でたパスタを絡めて乳化させる。
3、しっかり混ぜた溶き卵に「ペコリーノ・ロマーノ」を削りまくってそれをパスタと和える。
4、ソースの硬さは茹で汁で調整し、パスタ全体に濃厚なソースが絡んだらお皿へ。
5、ペコリーノ・ロマーノを上から思う存分かけて、ブラックペッパーをガッツリかけて完成!
6、美味しい。
となります。
ちなみにパンチェッタはグアンチャーレという豚の頬肉のベーコンを使えばより現地っぽくなるのですが、少し高価でスーパー等では手に入りにくいです。
「カルボナーラ」はローマ発祥のパスタなので、ハードチーズのペコリーノ・ロマーノをたっぷり使うのです。
ロマーノは「ローマの」という意味です。
このように料理をする、こだわる方は現地のハードチーズを調味料としてお使いになればより「本家」の味に近づく筈です!
以上!
溶かして良し、削ってかけて良し、使い勝手良し!世界中で多忙なハードスケジュールをこなす「ハードチーズ」のお話でした!
まとめると…
・ハードチーズは「山岳部」ならではの発展を遂げた努力と叡智の結晶。
・世界中で活躍する「プロセスチーズ」の材料。
・2次元から3次元を股に掛け、人々を虜にし続ける。
・溶かせばその場はパーティー会場。
です!
個別の名前は有名な物が多いのですが、「ハード」、「セミハード」と言われたら急に知名度が下がるのは使い慣れている立場からすると面白いです。
ホール1個を買うと色々使えますが、個人で買うと管理も大変なんです。
お客様の目の前で溶かしたチーズとパスタやリゾットをホールで絡めるのは壮観ですしめちゃめちゃ食欲をそそられるんですけど、その裏側…底の部分はひっくり返すと食べられないカビにまみれてるお店が多いのでご注意を!
ご家庭で消費するなら確実にカットした物を買って下さい!
半分や4分の1サイズやもっと小さい物もあります。あと重いので持ち運びが大変なんですよ。
パスタに削り掛ける際も「チーズグレーター」という削る道具を使えばふわふわなチーズをかけれます。
風味や香り、見た目も良くなりますのでオススメです!
これは柚子やすだち等の皮をすりおろす時にも重宝しますのでお鍋を囲む時にも役に立ってます!
お鍋が美味しい季節は色々とバタバタ忙しい時期になって来たのと同じです。
そんな疲れた体を癒やすのは日本もイタリアもお鍋です。
温かいご飯でホッと一息ついてハードな戦いの日々に備えましょう!
そしてチーズの力で今こそ立ち上がれ!
クララに続けぇー!!
ヲタ飯あれ!!
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楽しいお食事を!
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