いらっしゃいませ!
ヲタ飯屋です!!
最近はアニメや漫画好きな方は日に日に増えて行っている素晴らしい世の中になってきました。
僕が子供の頃はヲタク=根暗、キモいみたいな感じだったので、見てないテイでこっそり見ている同志が恐らく沢山存在していた筈です。
大人になり同窓会等で「過去の話」としてカミングアウトして盛り上がるなんてのは僕がヲタクだと言いながら生活するきっかけだったりします。
ただ最近は観ているヲタクルーキー達が例えば
「ガンダムって沢山シリーズありますけど、どれから見たら良いんですか?」
等の質問をしてくれた場合、僕は新しいシリーズからオススメしています。
最近の作品を見ているルーキー達はやはり「最近のアニメ」を見てその質問をしているからです。
しかし!
「やっぱりファーストでしょ!これを見てないと話にならないよ!」
という古参の方や自分が見ているから、自分は「分かってる」と思ってるプライドの高い連中が急にオリジナルの最初をオススメ…もしくは強要しがちなのです!
CGや作画の表現、技術が格段に上がった今のアニメを観ている人が「昭和のアニメ黎明期」の作品を観たら「受け付けない」んですよ!
こういうのは慣れてからだよ!
だからガンダムは敷居が高いって思われてんだ!
後輩を育てて、本当に愛してもらうように調整してあげるのが本当のファンだ!!
こんな困った問題が「チーズ」にもあるんです!
「シェーブル」というチーズのタイプはご存知でしょうか?
フランス語で山羊(ヤギ)の事を「シェーブル」と言います。
このシェーブルタイプというのは「ヤギ」のミルクを使った世界最古のチーズ言われています。
このチーズは…
原初のチーズ、「ORIGIN」にして1番クセのある上級者向けチーズなのです。
今回は「シェーブルタイプのチーズ」についてお話させて頂きます!!
そもそも「チーズ」が出来たのは偶然が重なった奇跡の食べ物なのですが、それが出来た始まりのチーズがシェーブルチーズでした。
それもなんと「メソポタミア文明」の頃からです。
↓こちらもチーズとあるアニメの共通点が書いてあります!
簡単に説明すると、
1、「ヤギのミルクって美味い!」
2、「沢山運びたいからヤギの臓器を使った袋で運ぼう!」
3、「しまった!運んでるミルクが固まっちまった!」
4、「一応食べてみたら美味しくてビックリ!」
という流れです。
何故固まったか…それはヤギ、牛等の草を食べる動物の中でも、消化の為に胃袋に入れた後一回吐いて、また食べるというタイプの動物の胃袋の中には「レンネット」という酵素があります。
その酵素がタンパク質を凝固させる効果でして、胃袋に入れたミルクのタンパク質を凝固させてチーズが出来た…という訳です。
一般の方の「シェーブル」のイメージとして
・知らない、食べたこと無い。
・ヤギのチーズって臭いらしい。
が多いと思います。
これは正解だと思います。
というより、ご飯屋さんで取り扱いしているお店はあると思いますが、
香りが独特で求めるお客様が少ないから食べる、知る機会も少ない。
のが現状です。
「ゴルゴンゾーラ多めでチーズを適当に盛り合わせて欲しい」
というオーダーはあれど、シェーブルを名指しで貰う事はほぼありません。
しかし、1度ハマるとシェーブルのその嫌煙されているその香りがどうにもタマらなくなります!
実はこの「シェーブル」は全てのチーズにおいて1番技術が必要なチーズなのです。
というのも、牛の乳で作るチーズはタンパク質の他に乳酸菌が豊富なので、レンネット等の凝固剤で固まりやすいのですが、対してヤギの乳は乳酸菌が少なくて固まりづらいのです。
ですのでシェーブルは大きく作れません。
持ち運びや保存期間の長さを重視した大きいタイヤみたいなチーズに対して、小型の可愛らしい形が主なシェーブルの特徴です。
お酒やカビで周りをコーティングして育てたり出来るその他のチーズはミルクの水分を乾かし、飛ばながら熟成させるのですが、シェーブルは乳酸菌が無い分直ぐにボロっと形が崩れてしまいます。
そこで型どったチーズに「木炭塩」を掛けるのです。
それを掛ける事により乾燥から守り、乳酸菌では無く「酸味」で熟成させていくのです。
その熟成の仕方の違い、カビか酸味の差で仕上がったチーズの香りが「カビの風味」か「酸の風味」になり、この酸の風味が、
「ウッ…となる香り」…臭いと言われる理由です。
だがしかし!
実はこれは「管理が良くないとこういう香りが出る」のです!
上記の1番技術が必要という点は
・ヤギのミルクの管理、質。
・賞味期限の短さ。
・買うまで、買ってからの管理の仕方。
これがかなりシビア。
まずはヤギのミルクは臭い吸収しやすい性質らしく、すぐに処理をしなければヤギの体臭が移ってしまい、それ自体が臭くなってしまいます。
良質なシェーブルはその時点から優劣が決まります。
次に、凝固剤は使っているのですがヤギのミルクは長期熟成出来る「乳酸菌とカビのタッグ」が使えないので、新鮮なミルクとその酸味で固め行くと「熟成」では無く「悪くなっていく」のです。
その悪くなるのを抑えるのは前述した「木炭塩」で水分量の調整と塩と炭による抗菌、そして香りを抑える「炭」の力で防臭している。
つまり抗菌防臭はしていますが、乳酸菌とカビにより熟成が進む訳では無いので消費期限が短いのです。
そんなシェーブルは「湿度の管理」が延命の要になっています。
冷蔵庫や保冷剤がある現代は消費期限にかなりの猶予が出来ましたが、それが無い時代は栗の葉やキャベツ等の葉野菜をチーズをしまう箱の中に一緒に入れて保湿をしていたそうです。
ちなみに炭は体に良く、食べられます。
丸かじりは駄目だと思いますが、歯磨き粉とかでも炭を使ったり最近ではミネラルウォーターにも炭が入っていたりしますね!
提供する際もお客様のチーズ熟練度を聞いてお出しした方が良いと思われます。
いきなりシェーブルは、プリキュア観てる女の子に昭和アニメのコンプライアンスを無視した残虐なシーンを観さす位無謀です。
そんなプロフェッショナル系チーズの「シェーブル」。
一体誰がそんな敷居の高いチーズを食べるのかと言いますと、ヨーロッパの人達はみんな食べるが正解です。
アルプスの少女ハイジの「ハイジパン」もヤギのチーズでしょうし、歴史上の人物で言えばフランスの「美食外交」で有名なタレーランという人もシェーブル好きでした。
大人から子供まで好きな理由は、
とてもミルキーでフレッシュな味わい
だからです。
…今までの話は何だったの?
と言うのは僕も食べるまで思っていました。
しかし上記の条件を全て満たすと、全てをひっくり返す程のチーズになるのです!
上質なミルクで加工された新鮮なチーズはミルクの旨味が凝縮され香りもそれ程感じない物になります。
やはり現地から取り寄せる際、小売店からあなたの口に入るまでにはプロの管理が必要になり、それまでの期間が現地で食べるそれとは異なりますね。
「ヴァランセ」というフランスのシェーブルチーズは、ピラミッド型の小さいチーズでその味わいは誰もが愛する物でした。
タレーランもその1人で、ある日彼は自分の城でヴァランセを堪能していました。
当時、ナポレオンがエジプトに遠征に行っていましたが残念ながら敗退。
その帰りにタレーランの住んでいるお城である、ヴァランセ城に寄ったナポレオンはヴァランセを食べてたタレーランにブチ切れ。
「何だお前!嫌味かよ!遠征失敗した当てつけか!?」
「いやいや!そんな訳無いでしょうが!」
「ちょっと貸せ!クソッタレめ!こうしてやるわ!!」
「何してるんスか!!」
「今後はこうして作れ!!」
こうしてピラミッド型のテッペン部分をカットして作る事になりました。
次に「クロタン」と呼ばれるシェーブルチーズ。
これはフランスのカフェ飯では定番になっています。
フランス語で「馬糞」を意味するクロタン。
コロッとした外見で、周りは炭では無く白カビで覆われているシェーブルです。
カフェでの提供の仕方はサラダ仕立てが多いようで、バケットにクロタンを乗せてオーブンで焼き、それをサラダと一緒にガブっ!
これを食べて「セ・ボン」と言えばそこはパリのカフェです!
デリシャスパーティプリキュアのデリシャスは英語ですが、フランス語でデリシューと言えばより美味しいと伝わりますよ!
「セ・ボン」は「良い」という意味を広い意味で使うそうなので!ヲタ飯あれ!
つまり、サラダで食べられる位フレッシュなんです!
ただ食べ慣れている上級者はあえてフレッシュな時には食べず、香り立たせてからコクや酸味を楽しむので、本当に食べ方次第で無限の可能性を秘めているのが「シェーブル」の特徴なんだと思います。
この「シェーブル」の料理においての最大の特徴は「溶けない」という事です!
上の画像の様に焼いても形が崩れず、ピザの様に伸びない。
そのままでもミルクのコクを楽しめるこのチーズは火を通すと更に水分が減って味わいが濃縮。
1度食べたら忘れられない「食べる旨味」は是非体験して頂きたい!
こうして愛される「シェーブル」が日本での知名度やお求めやすさが海外との違いはやはりチーズが戦後から勢いを増してきた文化だからです。
僕はよく納豆で例えるのですが、日本で納豆は朝の定番から健康の為には欠かせない発酵食品とランクアップしたこの食品。
臭いに慣れている、食べ慣れている人間からすれば納豆のそれは「良い香り」、食べ慣れていない海外の方は「ウッ」となる。
その逆も叱り、ヤギのチーズやカビの香りは食文化として新しい物だったから受け入れ難い物になりました。
しかし食の欧米化が進むと同時に切り離せないのが「チーズ」という存在。
その中でも最初に日本人が文化に入れ始めたのが「プロセスチーズ」。
食べやすいですよね!まさにライトユーザー向け、ルーキーの入門編と言っても過言ではありません。
そんな日本人がいきなりシェーブル…しかも今より冷蔵の技術が発達していない状況では食べづらい…つまり売りにくかったのでしょう。
長持ちしてライトユーザー向けなチーズから、カマンベール等の加工した日持ちするチーズ、カビ熟成のチーズが日本にやってきたのです。
さらに日本でもヤギのチーズは作られる様になり、海外の歴史を感じる現地の商品はクラシックな物として、国産のチーズはそのクラシカルな物を日本人向けに改良、進化して日々作られています。
以上!「シェーブルタイプ」のチーズについてお話させて頂きました!
まとめると…
・日本ではまだ馴染みが薄いけど、ヨーロッパでは誰もが食べるチーズ。
・他のナチュラルチーズとは作り方は同じでもヤギのチーズと牛乳では成分が違うから仕上がりが違う。
・「クサい」とは良くも悪くもこのチーズの特徴。
・原初のチーズはライトユーザー向けではない。今の食べやすい物から慣れていくべし!
・ガンダムもシェーブルも最初の作品は今の感性からしたら入りにくいが、上級者になる程愛される。
です!!
あとヤギではなく、羊のミルクを使った物も「シェーブルタイプ」に属するのですが、羊で作ったものは「ブルビ」と呼ばれる物になります。
ブルビはフランス語でメスの羊を表す言葉で、このチーズもとてもミルキーでコクがありシェーブルの入り口としては最適ですよ!
このように、需要によって姿形を変え、時を越えて愛されるシェーブルチーズ。
ガンダムも同じなんです。
ファーストは今から40年以上前の作品なんです。
確かに面白いです!僕も大好きですが、最初にオススメするには文化や価値観も違い過ぎるのです!
昔は良かったと僕も「昔」言われました。
しかし、その人達が笑っていた「機動武闘伝Gガンダム」が無ければ味方のガンダムと敵のガンダムが戦うなんて今の当たり前が無かったのです!
ニュータイプが出なくなったら…
宇宙世紀じゃなきゃ…?
そんなのはチーズ好き全員がシェーブルを食べなきゃ「チーズ好きを名乗るな」と言っているに等しいのです。
価値観は更新され、オリジナルは進化する。
古参マウントを取る人にはそれが分からんのです!
シェーブルを愛する人はルーキーにシェーブルを好きになってもらう様に行動しましょう!
今から好きになるあなたも「無理」と諦めず、少しずつ理解しましょう!
日本にも食べやすいように作ってくれている生産者さんがいますし、お店の人も難易度が優しい物を紹介してくれるでしょう。
ガンダムもいきなりファースト行くよりも、最新作を見て興味が湧けば「機動戦士ガンダムTHE ORIGIN」という目線は違いますが、世界観はファーストという現代向けの物もあります。
無理せず、愛そう!!
ガンダム以外にも当てはまるケースもあると思いますが、無理に古参ぶる野郎に言ってやりましょう!
ニュータイプを理解しようとしない奴がオールドタイプなのだ!!
今のガンダムをバカにする奴が「ガンダム好き」を名乗るな!
特大なブーメランだ、ざまぁみろ!!
…と、本当に言うと仲間外れにされそうなので心の中に想いは出さないでおきましょう。
そんな事を言われないようにみんなでチーズを好きになりましょうね!
ヲタ飯あれ!!
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楽しいお食事を!!
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