いらっしゃいませ!
ヲタ飯屋です!!
チーズには様々な種類や商品があります。
・大人から子供まで大好きなプロセスチーズ
・海外の食事には当たり前に使われ、日本でも食べる事が多くなったナチュラルチーズ
大きい分類としてこの2種類がありまして、ナチュラルチーズをさらにタイプ分けすると
・カマンベールを始めとする白カビタイプ
・ゴルゴンゾーラ等の青カビタイプ
・モッツァレラやクリームチーズ等のフレッシュタイプ
・アルプスの少女ハイジのハイジパンこと、ヤギのチーズのシェーブルタイプ
・粉チーズでお馴染みのパルメザンのハードタイプ
・あんまりメディアに出ないウォッシュタイプ
この6タイプに分けられます。
…ウォッシュって何だ!?
そう、ワインやチーズ好きに知らぬ者がいないであろう
「ウォッシュタイプのチーズ。」
漫画やアニメにならないはテレビでCMが流れるわけでもないこのタイプ。
どのチーズよりも僕はこのウォッシュタイプが大好きなのです!
メディアであまり流れない理由は恐らく…香りが独特…いや、臭いのです!
今回はそんな特殊なチーズ、「ウォッシュタイプ」のチーズについてお話させて頂きます!
まずはこのチーズがなぜ臭いのかを言いますと、使っている菌がそうさせるのです。
リネンス菌とよばれるその菌は、枯草菌(こそうきん)の一種で、日本に馴染みのある言葉を使えば納豆菌もその一種です。
納豆って美味しいけど臭い!
これは納豆好きからすれば何故臭いと感じるのか不思議な臭いなんですが、確かに臭いは臭いです。
納豆をイメージした時に、藁(わら)に包まれた納豆をイメージしませんか?
あの藁に枯草菌が沢山詰まっています!
枯草菌は決して人体に有害では無く、自然界には至極当たり前に存在するバクテリアなのです。
そんな無臭に近い大豆に巻くとあの香りですので、乳製品にその菌がつくとその香りはさらに強烈なものになります。
その香りに最初は驚きますが、日本食でいう「納豆」や「くさや」等の香りに一度ハマるとその香りが愛おしくて仕方が無くなります!
この香りには理由があり、菌を植え付けたチーズに定期的にワインやブランデーを吹き掛けて菌の成長をコントロールする行程でリネンス菌が香りを発生させるのです。
この濡らす行程からウォッシュタイプと名付けられたのです。
周りの表皮がオレンジ色になるのもこの菌の色素がそうさせます。
あと状態により納豆のようなネバネバ感が表皮に現れます。
チーズ屋さんに行かれた時に白カビチーズの見た目が白、ウォッシュタイプがオレンジ色と見ればわかりやすいですよ!
ここまでの見た目、臭いの説明から食べる気無くす要素が多分にあるのですが、人々に愛される最大の特徴は、
「美味い!」
からです。
何の説明にもなっていませんが、チーズが好きであればあるほどその味にどっぷりハマって抜け出せない要素。
「最高にクリーミーでコクがある、チーズを好きになる要素をかき集めた存在」
これに限ります。
その表皮をめくると中にあるのはトロットロのお宝が入っている宝石箱。
カットして食べるのも美味しいんですが、常温になるまで戻して蓋を取るように上部分を切り取り、中身をスプーンですくって食べるのがオススメです!
というよりも、スプーンですくわなければ食べられない程クリーミーな物も存在します。
表皮には少し苦味もあるので、カットして中身のクリーミーな部分だけ召し上がって頂ければ食べ慣れない方でも美味しさを伝わるはずです。
作られた背景にはキリスト教の修道院で修道士達が自分達で食べ、売り物として作り始めた歴史があります。
キリスト教はお肉を食べないので、小麦や野菜、牛乳等を自分達で作る必要がありました。
その延長でビールやワイン等のお酒と共にチーズを作り、その組み合わせの中でウォッシュタイプが生まれたのでした。
寄付金だけでは生きていけないので必然だったのでしょう。
フランスの皇帝ナポレオンも大好きだったこのチーズは特にフランスで多く作られていまして、
「エポワス」
というウォッシュタイプのチーズがあります。
チーズの王様と呼ばれるこのチーズは円柱型の木箱に入れられる程なめらかで、その木箱から出さずに上からスプーンですくって食べることも多い凄いチーズ。
ある日ナポレオンさんが寝ていると、部下の1人が伝達の為に起こそうとしたのですが、あまり揺さぶるのも気が引けるし怒られるかもと思ったその人はナポレオンの大好物のエポワスを鼻に近づけると起きるのではと考えました。
動物扱いしている時点で反対に不敬なんじゃないかとも思いますが、
「ジョセフィーヌ、今夜は勘弁してくれ」
と、奥さんが夜の営みを求めてきたと勘違いした。
という有名な逸話があるのですが、これは真実では無く小話というかジョークの類なのです。
次に「ラングル」というウォッシュタイプ。
フランスのシャンパーニュ地方のチーズ…というよりも、どれだけ同じ味、同じ見た目でもシャンパーニュ地方以外で全く同じ物を作ってもラングルとは名乗れない、ブランドチーズ。
このラングルの特徴はハンバーグを焼く前に少し上にくぼみを作る時の様に、クレーターみたいな凹んだ部分があります。
ワインやブランデーをそのくぼみに注ぎ、点火してアルコールを燃やしてその熱でトロトロなチーズをさらになめらかに食べるのです。
見た目も派手でパフォーマンスとしても面白いんですよ!
そのくぼみには「フォンテーヌ」という泉という意味の名前が付けられています。
なんでも最初は他のウォッシュタイプと同じくお酒や塩水をかけてひっくり返してを繰り返すチーズであったのですが、
「ひっくり返すのを忘れた」
というお茶目な事件があり、それが特徴のフォンテーヌの元になったそうです。
「いや忘れたんかい!」
と責任者さんが代わりにひっくり返ったとか。
次に「モンドール」という少し大きめなウォッシュチーズ。
ワンピースの敵でビッグ・マムの息子としてにも出てきました。
これも「金の山」と呼ばれ、スイスとフランスの国境付近にあるモンドールという山にちなんで。
その付近でなんと手作業のみで作られるトロットロなチーズ。
その大きさとトロっとした中身なので、頭の部分をツナ缶のように少し残して切り上げ、中に白ワインやにんにくを少し入れてチーズの蓋を閉じ、アルミホイル等で周りを囲ってオーブンで焼きます。
机の上にドンと置いて蓋を取ればそのまんまチーズフォンデュとしてパンや好きな野菜をディップして食べるのがパーティでは人気だそうです。
他にも種類が沢山ありますので全てをここでは書けませんが、それぞれに特徴がありチーズ愛好家には欠かせない物となっています。
ところ変わってイタリアのウォッシュタイプで、
「タレッジョ」というチーズがあります。
イタリアの北部のロンバルディア州のチーズで、タレッジョ渓谷がその名の由来です。
別名、ストラッキーノと言いまして、山で牛を引いて歩いて回るとめっちゃ疲れるので、
イタリア語で「疲れた」の意味の「ストラッキーノ」と昔は呼んでいたらしいです。
イタリアンに食べに行った際には、
「あー、今日もストラッキーノ。」
と言ってみて下さい!
チーズの様に白い目で見られるか、無視されます!
気をつけて!
上記のフランス軍団は完成しすぎていて、少し料理に使いづらいのですが、僕が働くお店では「タレッジョ」はよく使います。
チーズソースにタレッジョを入れるか入れないかでソースのコク、旨味が全く違います。
表皮の臭みは全く感じず、濃厚でコクが上がるのは熟成されたチーズの成し得る技なのでしょう。
「臭いチーズは苦手なんですよ」
という方も、このチーズソースは大絶賛!
一応苦手と言われたのでお供の方と入れていないソースと分けてお作りしたのですが、入っている方が好きだったそうです。
納豆にも煮た効果がありまして、ひきわり納豆と肉のミンチを一緒にしっかり炒めてからトマトソースでミートソースを作ると、納豆感は無いままに長時間煮込んだ様なコクがあったりと、リネンス菌は凄いって思えます。
ひきわり納豆とミートソースは時短テクにも使えるのでヲタ飯あれ!
以上、ウォッシュタイプのチーズのお話でした!
まとめると…
・納豆と似た菌で熟成する臭くて表皮に粘り気がある。
・蓋を開ければコクと旨味の宝石箱。
・ナポレオンの奥さんのジョセフィーヌはたまに自分から誘う。
以上です!
いやぁ、大好きなんですよね!
しかし臭みがあったり粘り気があったりメディアが取り扱わないのもわかるのですが、そのマイナス要素をクリアさえしてもらえればチーズ好きとしてワンランクアップ出来るのではと思います。
あと絶対に常温位で召し上がって下さいね!
冷たいと美味しく無い訳ではありませんが、100点の美味しさではありませんので!
あなたの特別な日に良いチーズを!
あー、今日もストラッキーノ。
納豆でも食って寝よ!
ヲタ飯あれ!!
ウォッシュタイプはスパーリングワインがオススメです!
こちらは「シャルドネ」を使っているのでスパーリングワインの中でも味わい深く、濃厚なチーズに負けない一本です。
ぜひお供にどうぞ!
その他のチーズについてはこちらからどうぞ!
こちらも合わせて読んでみて下さい!
楽しいお食事を!!
コメント